六本木ヒルズライブラリー

今読むべき新刊書籍12冊 -2018年8月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ヒルズライブラリー。今月届いた本は何?

新着本からお薦め書籍をご紹介します。


よくわからないと思っていても、ますます、私たちの生活の中に入り込んでくる現代アート。そのアートの魅力と意味合いを、ビジネスパーソンに伝える『直島誕生』。

藝大卒の生粋のアーティストが、35歳にして民間企業の正社員になる。そこで初めてアート作品が会社の「資産台帳」に載ることの意味を知る…といった冒頭から、もう、目が離せません。

・ビジネスは時代の3年から5年先を見ているが、アートは最低でも10年先を読む
・現代アートの醍醐味は、まさにその場所からアートが生まれ、立ち上がっていくことにある
・自分で事業を立ち上げて、新しい価値を世の中にもたらすことの意味

を語っていきます。しかし著者がこのボリュームのある本を通じて最も言いたかったことは、「圧倒的に芸術が主役になるということ」のような気がしてなりません。






世界の7都市を4年間かけて巡っていく大学、ミネルバ大学。学生は寮生活を一緒に送りながらも、授業ではお互いに顔を合わせることがありません。なぜなら授業は全てオンラインで行われるから。

なぜハーバード大学等の世界のトップクラスの教育者たちが、この大学の計画に馳せ参じたのか ? それは優秀な人たちこそ、現在の教育システムの無意味さに気づいているからです。

本書は、「誰からも無謀といわれた」スタートアップ企業による"奇跡の成功物語"から始まります。

・日本では高く評価されている欧米の一流大学も、既得権益に縛られて改革ができなくなっている。だから新たに大学を創設するしかない
・テクノロジーの進歩により、今ではオンラインの方が高度な教育を実施できる
・「90分の授業中、教授は10分しか発言できない」真のアクティブラーニングとは何か

文章の重複が多いのが残念ですが、欧米のトップスクールに親しみのあるライブラリーメンバーには、特に納得することの多い一冊ではないでしょうか。     



(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実


直島誕生

秋元雄史
ディスカヴァ−・トゥエンティワン

世界のエリートが今一番入りたい大学ミネルバ

山本秀樹
ダイヤモンド社

ドローンの哲学

グレゴワール・シャマユー : 渡名喜庸哲
明石書店

ごみ収集という仕事

藤井誠一郎
コモンズ

おもてなし幻想

マシュー・ディクソン : ニック・トーマン
実業之日本社

警備ビジネスで読み解く日本

田中智仁
光文社

レッドカード

ケン・ベンシンガー : 北田絵里子
早川書房

君が生きる意味

松山淳 : 諸富祥彦
ダイヤモンド社

ジ・エンド・オブ・バンキング銀行の終わりと金融の未来

ジョナサン・マクミラン : 桜田直美
かんき出版

自民党本流と保守本流

田中秀征
講談社

カルピスをつくった男三島海雲

山川徹
小学館

うつわディクショナリー

衣奈彩子
CCCメディアハウス