六本木ヒルズライブラリー

今読むべき最新書籍12冊 -2017年11月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ライブラリー。今月届いた本は何?

新着本からお薦め書籍をご紹介します。

 
人生のある時期では、寝食を忘れる程熱中して働く。自分が本当にやりたいことをやる。その結果として、世界中で誰もが夢にも思わなかったことを実現する。それが終わったら次のステージに移る。
そのような働き方こそ「働き方革命」ではないでしょうか。

ジョナサン・スターが取り組んだのは、電気も、科学技術も、宇宙の存在も知らずに、何世紀も前と変わらない生活を送るアフリカの若者たちのための学校を作ること。
そしてハーバード大学等の世界的な名門大学に合格させること。
教育の価値があるのに、教育を受けられない子どもたちにチャンスを与え、国を変えていくこと。

東アフリカ・ソマリランドのアバルソ校は、内戦で荒廃し、国際社会から承認もされない国で、貧しい子ども達に一流の教育を行っている学校です。

これを可能にしたのは、50万ドルの自己資金を投じ (逆に言えば、5,000万円程でここまで世界を変えられる) 、周囲と戦いながら必死で学校を続けてきた一個人の力です。

「家族と顔をあわせることも、友人と話をすることも、学校と関係のないことを考えることもほとんどない。・・たとえ自分の命が危険にさらされるとしても。・・この学校が、ぼくのすべてなのだ。」
 
迫害や暴力、死の危険にさらされながらも、あらゆる困難に負けない人の強い意思が、「トラックというのは、足の速い動物の一種だと思っていました。」というアフリカ辺境の少年を、米MITに合格させました。

そして、そのように奨学金を得て海外で学んできたアバルソ校の卒業生たちが、次々とソマリランドに戻ってきて次代を育てるという好循環が始まっているようです。

教育の意味や、自分のやりたいことを実現するための戦略、スターを最初に見せることの重要性など、心に残るものが多いノンフィクションです。

(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実



ソマリランドからアメリカを超える

ジョナサン・スター : 黒住奈央子
KADOKAWA

残酷すぎる成功法則

エリック・バーカー : 橘玲
飛鳥新社

女が美しい国は戦争をしない

小川智子
講談社

ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方

マイク・ヴァイキング : ニコライ バーグマン
三笠書房

差異力

伊藤嘉明
総合法令出版

シグナル:未来学者が教える予測の技術

エイミー・ウェブ : 土方奈美
ダイヤモンド社

戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊

川島博之
講談社

オーケストラ解体新書

読売日本交響楽団
中央公論新社

安藤百福 世界的な新産業を創造したイノベーター

榊原清則
PHP研究所

10RULES 最高のキャリアを作る10のルール

アリッサ・マストロモナコ : 三輪美矢子
ポプラ社

校閲記者の目

毎日新聞校閲グループ
毎日新聞出版

デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか

ライアン・エイヴェント : 月谷真紀
東洋経済新報社