六本木ヒルズライブラリー

今読むべき最新書籍12冊 -2017年6月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ライブラリー。今月届いた本は何?

新着本からお薦め書籍をご紹介します。



『バッタを倒しにアフリカへ』というなタイトル。表紙は、内容のイメージを表した抽象画なのかと思っていたら、事実そのもの。実際の著者の姿を写した写真なのでした。

「自分が何をやりたいのか、わからない」という人が多いこの世の中で、「バッタの研究」という"好き"を仕事にしていくため、グローバルに大奮闘する筆者。しかしその実体は、恰好よさとは無縁の、文字通り地面を這いつくばるような日々。様々なトラブルに巻き込まれながらも、ポジティブに解決していく痛快さは、とてもこれが実話だとは思えないほどです。

このエネルギーの源は何なのだろう? と思っている間に読み終わってしまう、まさにpage-turnerでした。





自分の人生に満足している人もいれば、別の人生をやり直したいと思っている人もいます。
『偽装死で別の人生を生きる』は、「私が死んだことになれば、借金を払わなくていいのではないかしら」と気楽に考えた著者が、"死んだふり"をする人々、それを助けるビジネス、関わることになった人達を見つけていくノンフィクション。

どうしてもデジタルに人の痕跡が残ってしまう現代に、失踪することは可能なのか?
死を偽装するという手間のかかることをした人は、その後幸せなのか?
他の人の人生をかいま見ながら、自分自身を発見していく一種の冒険談です。


(ライブラリー・アドヴァイザー:小林 麻実


バッタを倒しにアフリカへ

前野ウルド浩太郎
光文社

偽装死で別の人生を生きる

エリザベス・グリーンウッド : 赤根洋子
文藝春秋

錬金術の終わり—貨幣、銀行、世界経済の未来

マーヴィン・キング:遠藤真美
日本経済新聞出版社

北海道でがんとともに生きる

大島寿美子
寿郎社

社会学者がニューヨークの地下経済に潜入してみた

スディール・ヴェンカテッシュ:望月衛
東洋経済新報社

隷属なき道—AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

ルトガー・ブレグマン : 野中香方子
文藝春秋

東芝大裏面史

FACTA編集部
文藝春秋

人はどのように鉄を作ってきたか—4000年の歴史と製鉄の原理

永田和宏
講談社

あの会社はこうして潰れた

藤森徹
日本経済新聞出版社

セルフビルドの世界—家やまちは自分で作る

石山修武 中里和人
筑摩書房

ハッキング・マーケティング—実験と改善の高速なサイクルがイノベーションを次々と生み出す

スコット・ブリンカー : 東方雅美
翔泳社

アジアの終わり—経済破局と戦争を撒き散らす5つの危機

マイケル・オースリン : 尼丁千津子
徳間書店