六本木ヒルズライブラリー

今読むべき最新書籍12冊 -2016年11月-

「個人が力を伸ばしていくための本」、「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ライブラリー。今月届いた本は何?

新着本からお薦め書籍をご紹介します。




海外で日本人の働き方を説明する際に、非常に困る言葉があります。それが「正規雇用と、非正規雇用」。一般に、「フルタイムと、パートタイム」、「雇われている期間が決まっている労働者と、そうでない労働者」といった区分は多くの国にありますが、「正規雇用=正社員」という概念は、日本以外ではなかなか見られないのです。

正社員には長期雇用や退職金等を与えなければならないが、たとえ同じ仕事をしていても、「非正規社員」にはなくていいといった日本の常識は、世界では通用しません。その「非正規社員」が何を考え、どのように働いているのかという実態を、アルバイト等の非正規雇用の求人誌の編集長を務めた筆者が公開。良くも悪くも、世の中の変化に制度が追いついていない実情が描かれています。

今年の米国大統領選で、「働いても報われていない」と感じた労働者が大きな力となったように、今や4割を超える日本の非正規雇用者が、何かを変えるかもしれません。





誰が何を決めたのかは、はっきりしないまま、何となくその場の「空気」で物事が進められていく。その結果が間違っていたとしても、誰も責任を取らない…。『賢い組織は「みんな」で決める』というこの本のタイトルを見ると、そのような日本による組織のネガティブな面が思い出されないでしょうか。

しかし本書の内容はその逆です。組織が「何となく」愚かな決定をしないようにするためには、リーダーの力が必要だということ、リーダーがどのように皆を導いていくべきかということが書かれています。

そのために必要なことは、組織の中で生まれる圧力をうまくかわすこと、批判する視点を大切にすること。
自分自身の意見だと思っていたものが、どれほど他の人との関わりによって生まれているかを実感することができます。


(ライブラリーアドバイザー:小林 麻実

非正規って言うな!!—ブラックバイトからダイバーシティワーカーまで「多様な働き方」を論じる現代アルバイト学

平賀充記
クロスメディア・マーケティング

賢い組織は「みんな」で決める

キャス・R.サンスタイン,リード・ヘイスティ
NTT出版

LIFE SHIFT

リンダ・グラットン : アンドリュー・スコット
東洋経済新報社

住友銀行秘史

國重惇史
講談社

クリエイターズ・コード

エイミー・ウィルキンソン 武田玲子
日本実業出版社

論語と算盤と私

朝倉祐介
ダイヤモンド社

GET UP!

ジェイムズ・A.レヴィン,鈴木素子
KADOKAWA

挑戦 小池百合子伝

大下英治
河出書房新社

ビジネスブロックチェーン—ビットコイン、FinTechを生みだす技術革命

ウィリアム・ムーゲイヤー : 黒木章人
日経BP社

ゲノム編集とは何か

小林雅一
講談社

起業への挑戦

ガイ・カワサキ,三木俊哉
海と月社

クリエイティヴィティ

ミハイ・チクセントミハイ,浅川希洋志
世界思想社