六本木ヒルズライブラリー

今読むべき最新書籍12冊 -2015年9月-

「個人が力を伸ばしていくための本」「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ライブラリー。今月届いた本は何?
新着本からお薦め書籍をご紹介します。


日々の仕事に真剣に向き合う経験は、生死をさまよう闘病においても力になるのかもしれない…。『いのちのスタートライン』はそう感じさせる本でした。

全身に転移した最終ステージのガンを克服。肺の三分の一を失っても100キロマラソンを完走し、病気以前の自己タイムを更新する筆者。病状の一進一退に精神的に打ち負かされそうになりながらも、「必ず、うまくいく !」と自作の標語を病室に貼り、自分を高めていく。

それは筆者がキャリアに迷っている時に聞いた、"目標は高い方が、失敗してもどん底までは落ちない"という趣旨のアドバイスを実行しているように私には思えました。
「あきらめない」力が奇跡を生むこともあるのだと思います。




日本が火山国だとは知っていても、100以上の活火山があるとは知りませんでした。
まさに火山の中で生きているような私たち。

多彩な写真や図によって、プレートと火山の関係などがすっと頭に入ってきます。
通して読める図鑑として、楽しみながら驚くべき事実を知ることができます。






マラリアを防ぐためにアフリカ等で使われている高性能な蚊帳、オリセット。ダボス会議で著名人達が自発的に100万ドルを寄付し、"世界に広めてほしい"と懇願したこの蚊帳は、日本の化学メーカーの製品です。

『日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る』には、世の中に対して良いことをしつつ、企業として利益を得るCSRの話としても、新規事業開発を行うBOPビジネスの話としても、あるいは、日本企業では難しい、多様なバックグラウンドの人々のチームビルディングの話としても、楽しめるエピソードが満載です。
読む手を休めて、「自分だったらどうするだろうか」と考えてみたくなる教科書的なビジネスストーリーです。


(ライブラリーアドバイザー:小林 麻実



いのちのスタートライン

大久保淳一
講談社

日本の火山図鑑

高橋正樹
誠文堂新光社

日本人ビジネスマン、アフリカで蚊帳を売る

浅枝敏行
東洋経済新報社

気仙沼ニッティング物語

御手洗瑞子
新潮社

国を救った数学少女

ヨナス・ヨナソン 中村久里子
西村書店

たまたまザイール、またコンゴ

田中真知
偕成社

国際指名手配

ビル・ブラウダー 山田美明
集英社

景気を仕掛けた男

出町譲
幻冬舎

「なりたい人」になるための41のやり方

窪田良
サンマーク出版

世界を破綻させた経済学者たち

ジェフ・マドリック : 池村 千秋
早川書房

熱狂宣言

小松成美
幻冬舎

アメリカのジレンマ

渡辺靖
NHK出版