六本木ヒルズライブラリー

今読むべき最新書籍12冊 -2015年5月-

「個人が力を伸ばしていくための本」「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ライブラリー。今月届いた本は何?
新着本からお薦め書籍をご紹介します。


外資系企業の社内研修等に採用されるようになって久しい"インプロ"。これは、Improvisation、すなわち即興での演劇を意味します。常に想像外の事が起こり、それらに対応しながら、演じる人がその場で何かを作っていくのが即興演劇。ということは、まさにビジネスそのものではありませんか?

めまぐるしく変化するビジネス環境においては、これまでには予想できなかったことが瞬間的に勃発します。その際に萎縮せずに新しい現実を受け入れ、最適な解を出していくトレーニングとして、肉体的なアクションを伴う即興演劇の手法は、実際に多くのビジネスシーンで役立ってきました。

しかも他者と協力し、新たな状況下で、新たな目標を自分自身で作っていくことができるという面白さ。このインプロの実践を世界の第一人者から学べるという本書は、ビジネスパーソンとして読んでおくべき一冊でしょう。




吉田茂の孫であり、麻生太郎元首相の弟。岳父は、"武見天皇"とまで呼ばれた元日本医師会長の武見太郎という筆者。この人が書いた本が『カイゼン型病院経営—待ち時間ゼロへの挑戦』ということ自体に驚いてしまいますが、経営手法は別に驚く点もなくオーソドックス。
ということはたぶん多くの病院では、企業ならあたり前に実施されていることが、なかなか浸透していないのだろうと推察できます。株式会社が運営している病院自体が、とても珍しい日本。

利用することはあっても、外部からは全体像が見えにくい病院の経営体制を、「自分だったらどう変えていくか」と、楽しみながら理解していくことができます。






あまりにもスケールが大きく、あまりにも様々な事象が相互に及影響をぼし合っているため、個人ではまったく全体像が把握できないように見える、地球温暖化問題。本当にこれは大きな問題なのか? 誰がどのように取り組むべき問題なのか? 即答できる人は、あまりいないのではないでしょうか。

経済学の泰斗である筆者が、経済成長と温暖化防止のバランスを取ろうとする本書は、「経済学を知らない人でも地球温暖化を理解できる」ように書かれたものだそうですが、「経済学なら多少知っているが、地球温暖化についてはあまり知らない」ビジネスパーソンにこそ、お奨めです。

(ライブラリーアドバイザー:小林 麻実)



なぜ一流の経営者は即興コメディを学ぶのか?

ケリー・レオナルド,トム・ヨートン
ディスカヴァ−・トゥエンティワン

カイゼン型病院経営

麻生泰
日本経済新聞出版社

気候カジノ

ウィリアム・D.ノードハウス
日経BP社

ゆるす—読むだけで心が晴れる仏教法話

ジョーティカ,ウ【著】, 魚川祐司【訳】
新潮社

低欲望社会

大前研一
小学館

マインドタイム

ジョン・フューレイ
ディスカヴァ−・トゥエンティワン

限界はあなたの頭の中にしかない

ジェイ・エイブラハム
PHP研究所

外資系コンサルのスライド作成術 作例集

山口周
東洋経済新報社

女たち三百人の裏切りの書

古川日出男
新潮社

デザイン・リサーチ・メソッド10

日経BP社
日経BP社

帰還兵はなぜ自殺するのか

デイヴィッド・フィンケル【著】, 古屋美登里【訳】
亜紀書房

それでもボクは会議で闘う

周防正行
岩波書店