六本木ヒルズライブラリー

今読んでおくべき最新書籍16冊 -2013年10月-

「個人が力を伸ばしていくための本」「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ライブラリー。今月届いた本は何? 新着本からお薦め書籍をご紹介します。


「会社って誰でも経営できる時もあるんだなあ」とか、「人間、自分のことは客観視できないものだよね」とか、著者の主張とはまったく逆の感想を読み手が持ってしまうことも多い、『破綻』。
突っ込みどころが満載で、自分の立場、属している業界によって読み方がまるで変わってしまうのもおもしろい。

「なんとなく、優良企業だと思っていた」ではすまされない現実や、マスメディアのあり方などを思うと読後感が爽やかではないので、無理に全文を読み通さない方がおすすめです。


逆に人間の力強さ、素晴らしさを思い知らされるのは、『それでも私にできること。』

身体中の筋肉が衰え、呼吸もできなくなって亡くなってしまうというALS(筋委縮性側索硬化症)を宣告された女性が、事実を受け入れながらも明るく、ユーモアを失わずに旅する姿には、敬服してしまいます。

これがノンフィクションとは、驚きです。


人は過去から学ぶことができるのだろうか? いつも同じ過ちを繰り返していないだろうか?
金融のリスク管理を考えながら、ふとそんなことを思ってしまうのが、『金融リスク管理を変えた10大事件』。
技術と市場があまりにも急速に変化する今日に、リスク管理、ルールといった「枠」と立ち向かうことの面白さと困難さが、ヴィヴィッドに伝わってきます。

この20年の金融市場を振り返る本としてもよくまとまっていると思いました。

(ライブラリーアドバイザー:小林 麻実)



破綻

林原靖
ワック

それでも私にできること。

スーザン・スペンサー・ウェンデル
講談社

金融リスク管理を変えた10大事件

藤井健司
金融財政事情研究会

知られざる職種アグリゲーター—5年後に主役になる働き方

柴沼俊一,瀬川明秀
日経BP社

成功する海外M&A10の法則

中田順夫
日経BPコンサルティング

考えながら走る

秋山ゆかり
早川書房

臨時軍事費特別会計

鈴木晟
講談社

数字を追うな統計を読め—データを読み解く力をつける

佐藤朋彦
日本経済新聞出版社

Re PUBLIC 公共空間のリノベーション

馬場正尊 Open A
学芸出版社

ヒッグス 宇宙の最果ての粒子

ショーン・キャロル【著】,谷本真幸【訳】
講談社

「失われた20年の勝ち組企業」100社の成功法則

名和高司
PHP研究所

相手の気持ちをきちんと“聞く”技術

平木典子
PHP研究所

なぜ、間違えたのか?—

ロルフ・ドベリ
サンマーク出版

会計プロフェッショナルの英単語100—世界の一流企業はこう語る

大津広一,我妻ゆみ
ダイヤモンド社

利権の復活

古賀茂明
PHP研究所

繁栄からこぼれ落ちたもうひとつのアメリカ—果てしない貧困と闘う「ふつう」の人たちの30年の記録

デール・マハリッジ【著】,マイケル・S.ウィリアムソン【写真】,ラッセル秀子【訳】
ダイヤモンド社