六本木ヒルズライブラリー

今読んでおくべき最新書籍16冊 -2013年6月-

「個人が力を伸ばしていくための本」「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ライブラリー。今月届いた本は何? 新着本からお薦め書籍をご紹介します。


今話題の「ビッグデータ」ってどんなものだろう? と軽い気持ちで読み始めたら、「世界を数量的に捉えて解き明かそうという人類の挑戦が始まった。その重要な第一歩となるのが、ビッグデータだ」と、思ったよりも大きな、これまでの認識がひっくり返されるような話が、次々に繰り広げられます。

私たちと世の中の関係、ビジネスモデルのあり方。すべてを根本から変えてしまうビッグデータ。
点と点、断片的にしかわかっていなかったことが、このようにひとつの大きなビッグピクチャーにつながってしまう、それを知ることも怖い、と感じてしまう驚きの一冊。

「因果関係でなく、相関関係」、「N=全部」、「データは完全でなくても大量にあればいい」というポイントだけでも、おさえておくべき一冊です。


「宅配便」と言わなくてはいけないシーンなのに、つい「宅急便」と言いたくなること、ありませんか?

そのくらい私たちの生活に欠かせなくなっているのがヤマト運輸の宅急便。日本が誇るサービス・イノベーションの実力は、海外にいる時の方が実感できます。このように洗練されたサービスは、他の国では見られません。日本で独自に発達した素晴らしいシステムです。

この『どん底から生まれた宅急便』の著者は、小倉昌男氏とともに宅急便を育てあげてきた重鎮。

小倉氏の『経営学』(1990)はビジネスの良書として広く読まれていますが、どのような人と一緒に働いてきたから古い体質の運送会社をここまで変革させてくることができたのか、ということもこの本を読めば実感として伝わってくるでしょう。


この本には、たしかに「入社1年目」に筆者が何を学んだのか、が書かれていますが、むしろ、ビジネスパーソンとして10年目を迎えるくらいの人が、自分に、どれほど単なるツールではない「ロジカルシンキング」が身に付いているのかを、振り返るために読んだ方がよいと思います。

本当の「ロジカルシンキング」は、筆者がいうように「So What?(だから何?)」と「Why So?(それは、なぜ?)」を繰り返しながら、とにかく徹底的に自分の頭で考え抜くという力です。

そのくらい、「ロジカルシンキング」はすべての基礎になるもの。
社会人一年生が、朝から深夜まで何につけても、「それはロジカルなのか?」をつきつけられる生活を送るということは、なかなか得られない経験です。この本はその経験から得たものを、誰にでもわかるように大変わかりやすく教えてくれます。


(ライブラリーアドバイザー:小林 麻実)



ビッグデータの正体 - 情報の産業革命が世界のすべてを変える

ビクター・マイヤー・ショーンベルガー, ケネス・クキエ【著】斎藤栄一郎【訳】
講談社

どん底から生まれた宅急便

都築幹彦
日本経済新聞出版社

マッキンゼー流入社1年目問題解決の教科書

大嶋祥誉
ソフトバンククリエイティブ

人類20万年遥かなる旅路

アリス・ロバーツ【著】,野中香方子【訳】
文藝春秋

フェイスブック子どもじみた王国

キャサリン・ロッシ【著】,夏目大【訳】
河出書房新社

ニッポン現代アート

高階秀爾
講談社

わが盲想

モハメド・オマル・アブディン
ポプラ社

ウグイス アヒルのビオトーク

紺野真,齊藤輝彦
マガジンハウス

「いいひと」戦略 増補改訂版

岡田斗司夫
マガジンハウス

日本人のための世界史入門

小谷野敦
新潮社

幸福の遺伝子

リチャード・パワーズ【著】,木原善彦【訳】
新潮社

産みたいのに産めない - 卵子老化の衝撃

日本放送協会
文藝春秋

プロフェッショナル農業人 - “儲かる農業”をどうつくるか

大澤信一
東洋経済新報社

LINEを生んだNAVERの企業哲学 - 韓国最強企業の成功方程式

イムウォンギ【著】,吉原育子【訳】
実業之日本社

問題解決をはかるハーバード流交渉戦略

御手洗昭治,秋沢伸哉
東洋経済新報社

「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本

柏木吉基
日本実業出版社