六本木ヒルズライブラリー

ライブラリー新着書籍 3月のおすすめ本

「個人が力を伸ばしていくための本」「センスの良さと知性を兼ね備えた本」が続々と入荷している六本木ライブラリー。今月届いた本は何? 新着本からお薦め書籍をご紹介します。


迷った時、悩んだ時、争いの時に、「A案かB案か」という二者択一の選択をするのでなく、第3の案を生み出す・・・。

当たり前といえば当たり前。特に目新しい方法でもないように聞こえますが、さすが世界的大ベストセラー、『7つの習慣』を書いたスティーブン・コヴィー博士の新作、『第3の案』は説得力が違います。

これでもか、と繰り出される豊富な実例は、どれも第3の案を考え、それを実行していった人々の物語。理想的な状況を作り出すために、一度ゼロベースで問題をとらえ直し、決して諦めない人がこのようにたくさんいるのかと目を開かされます。

ビジネスでもプライベートでも、人生のあらゆる場面で必要になる「第3の案」。自分の考え方が確かに変わることを実感できる一冊です。


そのように、ほんの小さなきっかけで、自分の生活が一変してしまうというのは、何も本に限ったことではありません。
たとえば・・・「切り紙」はご存じですよね? ただ紙を切り抜くだけ、のアート。

『老いの暮らしを変える楽しい切り紙』には、娘から薦められて切り紙を始めたシニア世代が、大きく気持ちや暮らし方を変えていく姿が描かれています。仕事一筋で何の趣味もない父親がだんだん夢中になっていく様子は上質なノンフィクション。他の人から切り紙を依頼されることに見る社会でのつながりの意味にも考えさせられます。

こんなにもささいなきっかけで暮らしや気持ちが変わっていくということには、大きな意味があるような気がします。


タイトルと内容があまり合っていないような気がするのは、
『世界で勝負する仕事術 』。

東大から日本を代表する製造業に進んだエンジニアである著者は、
あえて自分とは異なる世界観を得るために、
社内留学の制度を使い、米国で文系的なMBAを取得しました。

帰国後は「毎日が世界一決定戦」
といわれる半導体のエンジニアとして、海外企業と日本企業の
違いを目の当たりにしながら奮闘し、大学教授へ転身します。

このストーリーが面白いのは著者自身が魅力的なことと、
半導体業界に興味がなく、エンジニアでも日本の大企業にも「いない」多くの読者からすれば、
かえって自分の仕事や考え方との共通点が浮き彫りにされていくという点。

章ごとに話が変わり、とても読みやすい本です。
皆さんはどう読みますか?

(ライブラリーアドバイザー:小林 麻実)

第3の案—成功者の選択

スティーヴン・R.コヴィー,ブレック・イングランド
キング・ベアー出版

老いのくらしを変えるたのしい切り紙

井上由季子
筑摩書房

世界で勝負する仕事術—最先端ITに挑むエンジニアの激走記

竹内健
幻冬舎

ヒタメン—三島由紀夫が女と逢う時…

岩下尚史
雄山閣

英語は恥ずかしいほどゆっくり話しなさい!—初級者でも伝わる英会話、スロー・イングリッシュのすすめ

長野慶太
ダイヤモンド社

新興国マーケット進出戦略—「制度のすきま」を攻める

タルン・カナ, クリシュナ・G.パレプ【著】, 上原 裕美子【訳】
日本経済新聞出版社

電機・最終戦争—生き残りへの選択

日本経済新聞社
日本経済新聞出版社

国税記者—実録マルサの世界

田中周紀
講談社

幸福の計算式—結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?

ニック・ポータヴィー【著】,阿部直子【訳】
阪急コミュニケーションズ

大往生したけりゃ医療とかかわるな

中村仁一
幻冬舎
世界40億人を優良顧客にする! — ほんとうの金融を求めて創った仕組み

世界40億人を優良顧客にする! — ほんとうの金融を求めて創った仕組み

枋迫篤昌
日経BP社

震える牛

相場英雄
小学館

ブータン、これでいいのだ

御手洗瑞子
新潮社

ギネスの哲学 地域を愛し、世界から愛される企業の250年

スティーヴン・マンスフィールド【著】, おおしまゆたか【訳】
英治出版

次なる経済大国 — 世界経済を繁栄させるのはBRICsだけではない

ジム・オニール【著】,北川知子【訳】
ダイヤモンド社

ウォールストリート・ジャーナル式経済指標読み方のルール

サイモン・コンスタブル,ロバート・E.ライト
かんき出版