六本木ヒルズライブラリー

ライブラリアンの書評    2022年11月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?




みなさん、日々「運動」をしていますか?

『スマホ脳』『ストレス脳』など、現代人の「脳」にまつわる書籍でヒットを飛ばす著者、アンデシュ・ハンセン氏による本書。脳にとっての運動は、どんな薬にも勝った「特効薬」なのだそう。

両手の握りこぶしを向かい合わせた大きさが、大体の脳の大きさ。そこに生まれてからこれまで感じたこと、経験のすべてが詰まっています。そんな私たちの脳は、祖先がサバンナで暮らしていた時とほとんど変わっておらず、工業化やテクノロジーの進化により生活が激変しようとも、そのスペックは変わっていません。

ただ情報量が爆発的に増える現代において、脳は多くのストレスにさらされている状態。25歳を境に、脳細胞は作られるよりも早い速度、一日に約10万個が死滅していきます。ですが、運動によって脳にある海馬や前頭葉が委縮する速度は抑えられ、むしろ成長さえするのだそう。加えて集中力が増し、不安やストレスが減り、記憶力が向上し、創造性が増し、知能が高まると、メリットばかり。でもそれ、本当なの?

その真偽を確かめるのは、他でもない自分自身。まずは自分にとっての無理ない運動を始めるところから。ストレッチやウォーキング、あるいは軽いジョギング、好きなスポーツがあるならばやってみる。継続して続けることで、その成果を実感できるはず。

「健全な精神は健康な肉体に宿る」という格言を体感するべく、読むほどに運動がしたくなること必至です。

(ライブラリアン:結縄 久俊)
 
 
アカデミーヒルズのポッドキャストでも
ご紹介しています。



 

運動脳

アンデシュ・ハンセン
サンマーク出版