六本木ヒルズライブラリー

ライブラリアンの書評    2022年3月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?




伝えたつもりが、伝わっていない。
伝えることは、難しい。

日本テレビアナウンサーとして、日々「伝える」ことを生業としている著者。いわば「伝えるプロ」だからこそ実感する、伝えることの難しさ。前作『伝える準備』で、言葉を発する心構えを説いた著者が、今作では「伝えることの実践」をわかりやすく紐解きます。

発した言葉が相手に伝わるまでの段階は、「言う → 伝える → 伝わる」。
「言う」だけではだめ、「伝える」つもりになっていてはだめ、相手に「伝わる」ところまでいかないと、思いは届きません。

本書で何度も言われるのが、「相手の立場に立って考える」こと、その難しさ。自分に置き換えてみても、確かに難しい。。。
だからといってあきらめず、「伝えよう」とすることを常に心に留め、相手の立場に立ち、「伝わった」と感じたときの感覚を大切にする。

熱意をもって伝えること。相手を想うこと。
その積み重ねが「伝わる」につながるでしょう。

(ライブラリアン:結縄 久俊)
 
 アカデミーヒルズのポッドキャストでも
「伝わる仕組み」のご紹介をしています。ぜひお聞きください。




 

伝わる仕組み—毎日の会話が変わる51のルール

藤井貴彦
新潮社