六本木ヒルズライブラリー

ライブラリアンの書評    2022年2月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?




「聞く/聴く」にフォーカスした本書。「相手の話に耳を傾けること」について、様々なアプローチで迫ります。

相手の話をよりよく聞きたいとは思いつつ、聞いていながらも別のことが頭に浮かぶ。あるいは言いたいことを言ってしまい、相手の言葉をさえぎってしまうこともある。

そんなときはちょっと待って、「まずは、聞いてみよう」。

相手は何を感じ、なぜその話を自分に対してするのか。「もしかすると〇〇と思っているからこのような話をするのかな?」と、相手の気持ちを想像してみる。

自分の思うように話を進めるのではなく、相手の言葉に耳を傾ける。考えを発展しあい、対話という即興性に身をゆだねる。それはまるでダンスのような新たなステップ。言語化される前の思いが、聞くことを通して導き出されます。

本書を通して聞くことの層が厚みを持ち、そして耳を澄ませることで、まだ聞こえていない響きに出合うことができそうです。

(ライブラリアン:結縄 久俊)
 
 
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