六本木ヒルズライブラリー

ライブラリアンの書評    2019年9月

毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?




暑さがやわらぎ、外を歩きたくなる陽気になってきました。どこか遠くはもちろんですが、たまには近場で開かれる「市場」に足を運んでみてはいかがでしょう。そんな気分にぴったりの「市場ガイド」のご紹介。


年間カレンダーを見てみると、毎月どこかしらで市場は開かれています。骨董市に蚤の市、古本市にマルシェに朝市。ネットであらかじめ調べた予定調和のレジャーではなく、偶然に身を任せ、人やモノとの「一期一会」を楽しむ市場空間、何が起こるかわかりません。


そんな未知なる市場を楽しく歩くコツや、持っていくと便利なグッズについても、本書では紹介されています。寺社仏閣ではまずお参りを。たくさん歩いても良いように、靴は普段履きなれたものを。きちんと小銭を準備して。


フランスの社会人類学者・民族学者レヴィ=ストロースによれば、知らない国へ行き、その国がどのような国かを知りたければ、まず市場に行くのが良いそうです。

”まったく何も知らない国へ行って、数時間しか余裕がなかったとして、博物館へ行きますか、それとも市場に行きますかと尋ねられたら、私はなんの躊躇もなく「市場へ」と答えますね。博物館では人間についてしか学ぶことがないのに対し、市場では、人間と人間を取りまく世界とを二つながら知ることができますから。”


人とお店と活気にあふれる多様な市場。モノを買うだけではない、市場そのものと出会う体験を。
 
※『季刊大林 No.18 1984 市場 MARKET』大林組 1984年9月刊



 


アークヒルズライブラリーのあるアークヒルズでも、マルシェが開催!
9月28日(土)は「ヒルズマルシェ10周年記念"大収穫祭"」
10月5日(土)は「ヒルズマルシェ<ARK Hills Music Week同時開催>」
ぜひ皆さまも、足をお運びください。 
 


  (ライブラリアン:結縄 久俊)


 

東京の市場さんぽ

柴山ミカ
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