六本木ヒルズライブラリー
ライブラリアンの書評 2018年5月
毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?
日々は計画=プロジェクトと共にある
わたしたちは日々、大なり小なり「計画」というものを立てながら過ごしています。いちにちの仕事の進め方、年間の事業計画。あるいは夕飯の献立しかり。「マイホームを建てる」なども、大きな計画のひとつです。ただ、せっかく立てた計画がうまくいかないことも多々。むしろうまくいくことの方が少ないかもしれません。それはなぜかと思えば、予想外の出来事で変更を余儀なくされたり、そもそもの計画が間違っていた、なんてこともあるでしょう。
プ譜?
本書のテーマは、予定通り進まない計画をいかにして前に進めるか。そのための実務的なノウハウを、工学的アプローチを用いて体系化することで、より確実なプロジェクト推進方法を身につけるところにあります。そのために用いられるのが「プロジェクト譜」、略して「プ譜」(著者考案の「プ譜」、ナイスネーミングです!)。
音楽において、あるひとつの曲を演奏するための共通言語としての「譜面」があるように、また将棋において、対戦を記録し振り返ることの出来る「棋譜」があるように、本書では「プ譜」を用いて、姿形のない「プロジェクト」を可視化し、明確な理解を助けます。
音楽において、あるひとつの曲を演奏するための共通言語としての「譜面」があるように、また将棋において、対戦を記録し振り返ることの出来る「棋譜」があるように、本書では「プ譜」を用いて、姿形のない「プロジェクト」を可視化し、明確な理解を助けます。
未知なる場所へ向かうためのプロジェクト推進力
これからの時代、働き方の多様性が増し、職場でいつもの同じメンバーと仕事をするスタイルから、プロジェクト毎にメンバーが集まり終われば解散、というスタイルの増加が予想されます。そんな時、本書で提唱される「プ譜」を用いれば、より潤滑なプロジェクト推進ができること間違いなし!です。
ルーチンな仕事がAIに代替されていくであろうこれからの時代、未知なるものに向かう力=プロジェクト推進力の重要性は、より増していくでしょう。本書が提唱するプロジェクト工学と、それを応用したプロジェクト・エディティングを知り、日々の仕事や生活で応用していくことは、人生100年時代という未知なる時代に向かう私たちにとって、必須のことに思えてなりません。
(ライブラリアン:結縄 久俊)
ライブラリーイベントが開催されます!
2018年6月28日に、本書の著者である前田考歩さんと後藤洋平さんによるライブラリーイベントが開催されます。「プ譜」を用いたワークショップを通して、プロジェクト工学、プロジェクト・エディティングをより深く理解する絶好のチャンス。ぜひご参加ください。
予定通り進まないプロジェクトの進め方
前田考歩,後藤洋平宣伝会議
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