六本木ヒルズライブラリー
ライブラリアンの書評 2018年2月
毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?
ライブラリーカフェから見渡した空、その空は宇宙であると思うと、風景もまた違って見えてきます。そしてそこに命があるのかは、人類にとっての大きなテーマです。
2/21に開催されたライブラリーイベント「宇宙ビジネスの最前線」。登壇された本書の著者・小野雅裕氏は、現役の技術者としてNASAジェット推進研究所に勤務し、火星探査プロジェクトなどに携わる、宇宙開発の最前線で活躍される方。本書のタイトル「宇宙に命はあるのか」という大きな問いに、その人生をかけて挑み続けています。
(少年のような好奇心をキラキラとさせながら宇宙を語る著者の姿が印象的でした。)
ページをめくればロマンと詩と哲学たっぷりに、宇宙時代の幕開けから現在までが語られます。『地球から月へ』『海底二万マイル』で世界的に知られるジュール・ベルヌを皮切りに、宇宙開発に携わった研究者・技術者のドラマがめくるめく、宇宙開発の歴史がぐいぐいと展開していきます。
「なぜ人は宇宙をめざすのか」
それは人類の夢であり、夢の場所に行ってみたいという思いは太古から人類にインプットされたことかもしれず、宇宙を夢見る多くの人たちのドラマがあったからこそ、人類は月に到達し、遥か遠くからの地球を見つめることができました。
ではいかにして、それは叶ったのか。
それは想像したから。想像したからこそ、叶えることができた。
人にはイマジネーションを広げる自由があります。それは常識の外に可能性を見出す力であり、地球の外、広大な宇宙を夢見る力です。常軌を逸して想像を飛翔させれば、いつの日か成し得る日がやってくると、本書に展開するさまざまなエピソードが教えてくれます。
まずは空を見上げて、その向こうへと思いを馳せるばかりです。
(ライブラリアン:結縄 久俊)
宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八
小野雅裕SBクリエイティブ
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