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福祉がいまできること~横浜市副市長の経験から

ケロッグ大学大学院モーニング・セッション 講師:前田正子

更新日 : 2009年07月30日 (木)

第14章 少子化と騒ぎながら、母国語も日本語も話せない子どもを放置

ケロッグ大学大学院モーニング・セッション「福祉がいまできること 横浜市副市長の経験から」会場様子

前田正子: お話したいことがいっぱいあって。もっと詳しくお伝えしたかったのですが、この本『福祉がいまできること—横浜市副市長の経験から』に予算状況とか、何が起こっているかとかについてもっと詳しく、ニートやフリーターの子たちの問題や、児童虐待の現場で何が起こっているかということも書いてありますので、ぜひ読んでいただきたいと思います。

最後に、私が横浜市国際交流協会の理事長になった理由を。今、外国人の子どもたちがすごく増えています。今、日本の結婚の約6%は国際結婚です。うち8割、つまり日本の結婚の約5%が外国人のお母さんと日本人のお父さんの結婚です。それはいろいろな理由があります。

少し前に流行った農村花嫁は今も続いていますが、今都会の未婚の壮年の男性が国際結婚業者に頼んで結婚することが増えています。子どもが欲しいとか、切実な問題として親の介護が必要になって、どうしてもパートナーが必要ということで、慌てて“お嫁さん”を探す方もいます。

国際結婚の増加だけでなく、ニューカマーと言われる外国人市民が増えているのですが、今、横浜市には義務教育機関に約27万人の子どもがいるのですが、そこに日本語が全くできない子が1,125人います。外国籍の子、帰化して日本人になった子、両親のどちらかが外国人で二重国籍などの子が、合わせて約5,100人いるのです。そのうち1,125人が日本語ができない子です。

ではあとの4,000人は日本語ができるかというと、日常会話ができても読み書きできない子が結構います。母国語もできない、日本語もできない、という子たちが続々と日本社会で育って大きくなっています。これも早急に手を打たないと駄目だと思います。

日本はこれだけ子どもが生まれないと言っているのに、世界で生まれてくる貴重な子どもたちにちゃんとした教育を与えずに、つまり、将来労働者になれないような形で放置している、こういう問題がもうずっと続いています。

例えば都心部ではコンビニに納める24時間営業のパン屋さんや弁当屋さんなどで働いているのは外国人がほとんどです。そうした外国人のなかには「母国にいつか帰るからいい」と、子どもの教育にあまり熱心じゃない人がいたりします。でも、結局は長く日本にいることになり、日本で生まれた子どもが中学生、高校生になって、その後就職できずに日本人の子どもたちと同じようにニートやフリーターになっていくのです。

そういう新しい問題も広がっていますので、ぜひ本を読んでいただければと思います。今日はどうもありがとうございました。(終)


該当講座

福祉がいまできること
横浜市副市長の経験から
前田正子 (財団法人横浜市国際交流協会 理事長)

世界最高峰のビジネススクール、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院日本同窓会とアカデミーヒルズが送る知の交流。同校教授を始め日本や世界で活躍する卒業生を招き、講演やディスカッションを通じてケロッグならではのカジュアルな雰囲気のなかで、マネジメントの最先端やリーダーシップの真髄に触れます。 大好評....


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