オピニオン・記事

今だからできる失われた20年からの大転換

~日本のGDPを3%上げる、企業と人を成長させる新しい発想~

経営戦略キャリア・人マーケティング・PRオンラインビジネス
更新日 : 2012年02月03日 (金)

第7章 デジタルマーケティングが組織と人材のマインドセットを変える

石黒不二代氏

石黒不二代: 最近、ソーシャルを用いたCRM(Customer Relationship Management)に注目が集まっています。私たちネットイヤーグループは、今まさに、ソーシャルCRMを実現するための、カスタマーサービス用アプリケーションを開発中です。これは宣伝ではなく、本当にいいと信じてやっていることですので、ぜひ聞いてください。

これまでのカスタマーサポートは、電話やメールでお客さまからのアクションを待つスタイルでした。これだとお客さまが電話やメールしてくるときには、すでに相当怒っていて「壊れたじゃないか。どうしてくれるんだ!」という段階までいっていたわけです。このサポートではいけないと私たちは考えています。

だから“出向く”サポートにしたいのです。ソーシャルメディアではいろんなことがつぶやかれていて、中には「ちょっとこれ、バグじゃない?」と友だちに言ったりしています。怒りに達する前の、こうした不満をキャッチしてカイゼンすれば、1,000本かかってくる電話が10本で済みます。これはコスト削減につながります。

メリットはこれだけではありません。「このお菓子、もう少し甘いほうがいいと思います」という提案の電話をしてくれるお客さまはいません。でもソーシャルメディアを解析すれば、友だちに「このお菓子、もうちょっと甘いほうがいいよね?」と言っているのがキャッチできるんです。

今までのCRMは「1人のお客さまが生涯、どれだけうちの会社の商品を買ってくれるか、どれだけのお金をうちの会社に使ってくれるか」というライフタイムバリューを上げるための活動でした。しかし、一度浮気したら戻ってきてくれないということが、CRMの限界、あるいは失敗として最近よく言われています。結局、お客さまとの強い関係づくりができていなかったのです。

これに対してソーシャルCRMは、消費者や潜在顧客との関係性を育成します。浮気されないようにするのです。「このお菓子、もうちょっと甘いほうがいいよね?」とつぶやいたお客さまに、「甘くしましたよ」と商品を出せれば、会社がいかにお客さまのことを考えているか伝わりますよね。お客さまにとっても、これは嬉しいはずです。こういうことをしていくことで、会社とお客さまのパイプはどんどん太く、強くなっていきます。

開発中のアプリケーションでは、電話やメールなど、外から入ってくるものも受けながら、積極的にソーシャルメディアに出向いて、顧客や生活者の生の声を聞きに行きます。重要なのは、それを社内で共有することです。要望に合わせてカイゼンするためには、「甘いお菓子が欲しいと言っているお客さまが、こんなにたくさんいるんだよ」ということを商品企画の人に知らせて、アクションを起こさせなければなりませんよね。だから社内で情報を共有することが非常に重要なんです。こうしてソーシャルの声を聞いて、会社中をカイゼンしていくのです。最終的にはお客さまと一緒にアイディアを出したり、Q&Aをお客さま同士がしてくれたりするような協働もアプリケーションに加えようと思っています。

ソーシャルメディアに参加する、自社メディアを強化する、カイゼンする、企業力をあげる、お客さまと絆をつくるなど、私たちは各社のさまざまな「変わる」にお応えし、日本のGDPを3%あげていこうと思っております。(終)

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今だからできる失われた20年からの大転換 ~企業と人を成長させる新しい発想~

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石黒不二代 (ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長兼CEO)

石黒 不二代(ネットイヤーグループCEO)
インターネットの普及でグローバル化が進み、更にビジネス環境の変化が激しくなった時代に、日本企業と個人にとっていま求められる経営戦略と教育、そしてマインドセットとは何か?いま最も元気な女性起業家の一人といわれる石黒氏に伺います。


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