オピニオン・記事

マーケティング・クリエイティブ最前線「宝島社の女性誌マーケティング」

~出版の概念を覆すマーケティング戦略で部数はまだ伸びる~

更新日 : 2011年02月01日 (火)

第9章 「ぜひ、まねてください」

「宝島社の女性誌マーケティング」会場セミナーの様子

西川英彦: 今、いろいろな雑誌社さんが同じように付録をつけているという記事をよく目にするのですが、御社が最も部数を伸ばしているそうですね。優位性を保っている理由は何だと思いますか。

桜田圭子: 雑誌の付録ブランドアイテムに関しては、やはり部数が圧倒的に多いことで単価が抑えられるので、その分を自社の利益にせずに、よりクオリティや機能性を高めることで読者に還元させていただいています。そのあたりが強みなのかなと思います。

ブランドムックに関しては2005年からやっていますので、ブランドさんとのおつき合いもとても増えていますし、モノづくりやマーケティングのノウハウやスキルもたまっているので、やはりその分、ニーズをとらえ、クオリティを高めることができるからではないかと感じています。

西川英彦: 「付録といえば宝島社」という感じですよね。マーケティングでは最初につくった人がカテゴリーリーダーになるというのはオーソドックスな理論ですが、本当にその通りで、消費者の知識の中で「何々といえば何々」と出てくるかどうかは重要な鍵ですね。ですから、まさに雑誌付録というブランドをつくったというお話なのかもしれませんね。

桜田圭子: ただ、「自社の商品だけ売りたい」とは考えていなくて、他社さんにもどんどん追随していただきたいと感じています。書店にいろいろ楽しいものがあることで、お客さまが書店にもっと足を運んでくださるようになれば、雑誌や本の売れ行きも全体的に伸びるのではないかと。きれいごとに聞こえてしまうかもしれませんが、本当にそう思っていますので、ぜひ出版社の方々には頑張っていただければと思います。

西川英彦: 事前にお打ち合わせをした際にも、「他社さんに模倣されているようですが、どうですか?」と聞いたら、「いや、ぜひまねてください。みんなでこの業界全体を盛り上げないと、宝島社の雑誌だけ残っても仕方がないので」とおっしゃっていましたね。

今日、何でもフランクにお話しくださっているのは、まさにそういうことだと思います。模倣してもらってでも業界全体を盛り上げたいという気持ちは、うそじゃないと思いました。ですので、ぜひ皆さんも参考にしていただければと思います。最後に、今後の戦略をできる範囲でかまいませんので、教えていただけますか。

桜田圭子: 初めにお話しさせていただいた「人と社会を楽しく元気に」というところに戻ってしまいますが、今後もより多くの方々に喜ばれる商品やサービスを提供していくことが大事だと考えています。出版社のコアコンピタンスは「編集力」だと思っていますので、それを活かして、文字と紙だけの編集ではなくて、例えば、企業と企業を結びつけたり、企業と流通を結びつけたり、いろいろな業界を活性化していければと考えています。

西川英彦: もはや出版業ではないイメージですね。すごく楽しみで、ますます期待できる会社だと実感しました。今日のお話をきっかけに皆さんの輪が広がったらと思います。今日は本当にありがとうございました。

桜田圭子: ありがとうございました。(終)

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該当講座

宝島社の女性誌マーケティング

~出版の概念を覆すマーケティング戦略で部数はまだ伸びる~

宝島社の女性誌マーケティング
桜田圭子 (株式会社宝島社 マーケティング本部広報課長)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)

桜田 圭子(㈱宝島社 マーケティング本部広報課長)
西川 英彦(法政大学教授)
今回のマーケティング・クリエイティブ最前線では、新しい発想で快進を続けて注目を集めている宝島社にクローズ・アップします。
付録付雑誌だけでなく、美顔器を書店で販売して大ヒットさせるなど、従来の常識を覆すマーケティング戦略で注目を集める同社の発想の源にあるものとは?進化を続ける宝島社の好調の秘密に迫ります。


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