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地図・絵画・日記が語る
江戸の「街づくり」「モノづくり」の遺伝子

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日時

2024年04月19日 (金)  19:00~20:30

リアル開催

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内容

1603年、徳川家康により江戸に幕府が開かれ、政治のみならず、江戸はさまざまな分野で日本の中心を目指して発展しました。城郭都市である江戸の最初の成立ちは、城を中心に蝸牛状に掘割を開削し、高台に武家屋敷を、低地には京を模した町割を行いました。
開幕時に架けられた日本橋は、五街道の基点となり、周辺の河岸地には諸国から衣食住の物資が集められ、諸国物産の問屋街、モノづくりの諸工や諸芸の人々が集住した町となり、市場も設けられました。

また長崎出島を通じて中国やオランダからの新しい技術や思想が江戸に直接取り入れられ、より精緻で機知に富んだ技術や文化が展開しました。この背景には、諸藩が互いに国産品を競い合った殖産政策が大きく影響をしています。
江戸は、大名屋敷がひしめき、国元と江戸の参勤交代により、諸国の物産、人、情報が交錯する大都会となりました。しのぎを削る職人たちの修練は、やがて名人を生み出しました。

江戸時代は厳格な身分制社会でしたが、その一方で江戸では身分や職業を超えた文化交流の場が形成され、技術と文化の発展を促しました。俳諧の連では、俳号を共通ベースとし、その会合では大名も町人も役者も同格で、身分の差はありませんでした。
好事家や奇人の輩出も、江戸の社会における特長です。平賀源内など、さまざまな文化創造の多彩なブレーンが江戸の文化活動を盛り上げました。

柳田國男は『木綿以前の事』で、江戸時代の人びとが豊かな感性をもって生活を送ることができたのは「木綿」と「瀬戸物」のお陰であると説いていますが、私は、それに「浮世絵」を加えてはと思います。
「浮世絵」とは江戸で成立した絵画様式で、当世風俗を描いたものです。多くは多色摺木版画として出版され、情報メディアの役割をなしました。この「浮世絵」を通して、ファッションやニューモード、遊女や役者、新名所、地震や火災、事件などの江戸の最新情報が、市中の人びとに、諸国へ、そして長崎を経て西洋へも伝えられることとなりました。まさに江戸は情報化社会の最先端の地でありました。

こうした事例を、江戸の古地図や、日本橋の街並みを生き生きと描いた「熈代勝覧(きだいしょうらん)」などの絵画、大名の柳澤信鴻(やなぎさわ・のぶとき)が駒込の別邸六義園で優雅な隠居生活を送った『宴遊日記』などから、読み解きます。


講師紹介

プログラム企画・スピーカー
小澤弘 (おざわ・ひろむ)
淑徳大学人文学部客員教授・江戸東京博物館名誉研究員

1947年生。明治大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本芸術文化史。著書に『都市図の系譜と江戸』(吉川弘文館, 2002)など。共編著に『図説江戸図屏風をよむ』(河出書房新社, 1993)、『図説上杉本洛中洛外図屏風を見る』(河出書房新社, 1994)、『活気にあふれた江戸の町「熈代勝覧」の世界』(小学館, 2006)、『日本の近世14—文化の大衆化』(中央公論社, 1993)、『日本庶民文化史料集成13 柳澤信鴻「宴遊日記」』(三一書房, 1977)、『浅草寺日記』(吉川弘文館,)、“The Kidai-Shōran Scroll” (JAPAN LIBRARY, 2020)など。Exhibition “DNA of Japanese Design”(Thailand Creative & Design Center, 2006), L’exposition “KYOTO-TOKYO des Samuourais aux Mangas” (Grimaldi Forum Monaco, 2010)の共同展示監修。

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募集要項

日時 2024年04月19日 (金)  19:00~20:30

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受講料 【一般】3,300円(税込)

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定員 100名

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キャンセル手続き完了時に、「【イベント名】重要: チケットキャンセルメール」という件名のメールを送信いたします。イベントレジストのマイチケット画面でもキャンセル状況をご確認いただけます。
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主催
  • アカデミーヒルズ

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