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敬遠されがちなディベートの利点、議論する上でのポイントとは ? 石倉洋子のグローバル・ゼミ(GAS)2016 第3回セッション開催!

活動レポートグローバル文化政治・経済・国際
更新日 : 2016年09月28日 (水)

Session3: 視点を変えるⅠディベート
講師:石倉 洋子(一橋大学名誉教授)
文:小林麻実 写真:アカデミーヒルズ
開催日:2016年9月25日

前回のGlobal Agenda Seminar (グローバル・ゼミ/GAS)の集中講座では「What if ? (もし~が起こったとしたら?) 」が議論に上りました。

世界中が加速度的に変化している現在、思ってもみなかったこと、これまで自分があまり興味のない出来事が、自分自身の生活やものの考え方に密接に関わってくることはよくあります。
—たとえば、想定外の東日本大震災を経験するのとしないのでは、自分の価値観は大きく変わってしまいますよね。そのようなことが、大きな重みを持って私たちの日々を変えてしまうのです。


それを踏まえて、
クラス全員で考えたWhat if ?は4テーマ。
・「自衛隊を正式な軍隊にするべきである」
・「日本は移民を受け入れるべきである」
・「同性婚を合法化するべきである」
・「英語を日本の公用語にするべきである」
というものでした。メディアではよく見る話題ですが、ふだんの日常ではそこまで自分ごととして深くは考えていない問題ばかりです。

今回は、この4テーマに対して肯定するのか否定するのか、8チームにわかれて主張するディベートのセッションです。
石倉洋子・一橋大学名誉教授は、「ディベートは自分の本来の主張に関わらず、強制的にある立場を取らせるため、ものの見方を変えることに役立つ。また企業によっては、重要な意思決定の際に敢えてディベートを行うところもある。争点を全て洗い出すためだ。」とディベートの利点を説明されました。

参加者の中にはディベートには慣れている、という方もいらっしゃれば、ほとんど初めてという方もいらっしゃいます。皆さんお忙しい中、前回からの2週間で時間をやり繰りし、チームでの事前準備がしっかりできたというところもあれば、なんと、ご自分以外のチームメンバーが全員当日欠席となり、一人で戦うというチームもあり ! (ここには他チームの応援がありました。) 
何が起こるのかわからないという現実を再認識されたようでした。



実際のディベートの流れとしては、肯定、否定チームが4分間ずつ主張を述べるとことろから始まります。英語に堪能な皆さんは、データも使いながらロジカルに肯否の理由を述べようとしていきます。その後、お互いに質問の形を取りながら自分たちの主張の正しさを訴えるのですが、このディスカッションがうまく噛み合っているところと、そうでないところがありました。

そこで不可欠なのが、「自分たちは今、何を議論しているのか」という定義(Definition)です。肯定側が先攻するため、肯定側が「私たちはこの問題をこう捉えています」を先に宣言してしまうと、否定側は少なくともその定義の合理性を考え、受け入れるか入れないかについて答えなくてはなりません。納得感のある定義を作り、それについて論理的に話していけば、説得力は増します。

両チームでの議論を経た後、それを踏まえて自チームの主張を再度述べ、全参加者からのコメントにも答えて1テーマが終了します。



「日常生活の中では正反対の立場を取って対決することはないからこそ、ディベートの考え方は思考をクリアにさせる。」、「どの4テーマについても、肯定すること(「xxすべきである」)は変化を促すことであり、未来に向かっての行動だが、否定は現状維持。それを正当化しようとすると過去のデータやこれまでの伝統にとらわれがちになる。」という石倉教授の総括が、非常に興味深く感じました。

セッションの最後には、「世界中の誰にでも1分間話を聴いてもらえるとしたら?」という次回の課題が発表されました。課題の評価基準は「メッセージはクリアか?」です。

石倉教授のブログにもゼミの様子が書かれていますので、ぜひご覧ください。


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