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グローバル・アジェンダ・シリーズ2015 日本をグローバル化するにはどうすればよいか

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更新日 : 2015年09月29日 (火)

グローバル・アジェンダ・シリーズ2015
日本をグローバル化するにはどうすればよいか

開催日:9月14日(月)19:00~20:30
ゲスト:David Atkinson(小西美術工藝社 代表取締役会長兼社長)
モデレーター:石倉 洋子(一橋大学名誉教授)

文/小林 麻実   写真/御厨 慎一郎
2015年9月29日公開

「日本のおもてなしは世界一。外国人が日本に来れば、都市の安全性や電車の正確な発着等に感動するはず。」
はっきりとした証拠もないのに、何となくそう思い込んでいる私たち。2020年のオリンピック開催を控え、ますます高まるそのような社会通念に、「本当にそうなの?」と疑問を投げかける書籍が、今、日本中でベストセラーになっています。

その著者が、「グローバル・アジェンダ・シリーズ2015」に今回ゲストスピーカーとしてご登壇頂いた、デーヴィッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社 代表取締役社長)。会場には『新・観光立国論』等のご著書を読んで氏のファンになったという方も多くお越しになり、早々に満席になりました。

モデレーターの石倉洋子・一橋大学名誉教授は、「アトキンソン氏は、長く外資系金融機関でアナリストとして、"事実に基づいた分析"を行ってきた方。その現実を直視する視点を学んでほしい。」と英語で会場に話しかけます。

「グローバル・アジェンダ・シリーズ」では、まさにこのような今話題のトピックについて、現在世界での共通語となっている英語を使いながら、学び、考えることができます。


世界における日本のGDPから見ると、日本の観光業には多大な伸びしろがあること、観光業自体が、最も成長している産業であり、海外ではどんどん進化していること。アトキンソン氏はそれぞれの数値をあげ、シンプルな分析によって製造業信仰から抜け出せない日本の実情をひも解いていきました。

「京都の有名な城郭を訪れても、日本語をそのままローマ字に置き換えた説明文があるだけ。何を意味しているのか、外国人にはさっぱりわからない。日本の歴史や文化を、世界中のどんな人にでも理解できるよう、わかりやすくストーリーとして伝えようとする姿勢がない。」と、具体的に示されます。

このような"提供者側の論理"で、歴史的施設や美術館が運営されているのは、世界の趨勢からすれば数十年は遅れている、サービス業の価値がまだまだ日本では理解されていないのではないかと痛感してしまいました。


石倉名誉教授は「では、このような状況を改善するために、まず何をすべきだと日本人にアドバイスしますか?」とアトキンソン氏に問いかけます。常に「議論より実行」を実践していらっしゃる石倉氏らしい質問です。
アトキンソン氏はそれらに丁寧に答え、参加者も活発に議論に参加していきます。

「そもそも観光業の目的は、日本を訪れた人々にしっかりお金を落としてもらうこと。その目的を達成するためにどのような道筋を設計するのか。」と、根本的な戦略の不在を指摘されたアトキンソン氏。わかっているつもりで、いかにわかっていないことが多いのかを突きつけられた、刺激的な一夜でした。

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