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活動レポート

テレビ、そしてローカルメディアが求められているものとは!

~読売テレビのアナウンサー脇浜紀子氏と竹中平蔵理事長が語る「放送の未来像」~

ライブラリートーク

【ライブラリートーク・レポート】
放送の未来と地域主権 ~ローカルメディアの再構築~
スピーカー:脇浜 紀子(読売テレビ アナウンサー / 博士(国際公共政策))
      竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長 / 慶應義塾大学教授)
2011年2月17日(木)開催

スピーカーの脇浜紀子さん
スピーカーの脇浜紀子さん
「皆さん、こんばんは。読売テレビのアナウンサー脇浜紀子です。今日は神戸から来ました。アナウンサーなのでもちろん標準語でお話できますが、今日は敢えて関西弁でお話しても良いですか!」と、滑舌が良く、張りのある声でスタート。

脇浜さんは、「ズームイン朝」等の報道番組、情報番組をご担当されつつ、2000年には、南カルフォルニア大学でコミュニケーション・マネジメントで修士号、2010年には、大阪大学大学院で「地域民間放送の経済分析」の論文で博士号を取得されました。
また、2001年には『テレビ局がつぶれる日』(東洋経済新報社)を上梓され、10年前から、放送の未来について考察されています。
最近、ビジネス誌では、「テレビ」や「新聞」の特集を目にする機会が増えていますが、実際の現場、そして地方では一体何が起こっているのか、現実をお話いただきました。

現場で発生している様々な矛盾、そして、「ネット」vs「テレビ」

日々の現場で発生していることを語る脇浜さん
日々の現場で発生していることを語る脇浜さん
脇浜さんの問題意識は、1995年の阪神淡路大震災に始まります。
神戸のある現場に駆けつけて取材している脇浜さんに、ある親子が「お父ちゃんが家の下敷きになっている。テレビで放送してくれたら消防隊が来てくれるから、取材して欲しい!」と駆け寄って来たそうです。そこで脇浜さんは、まず読売テレビへ連絡し放送してよいかを問合せました。次に読売テレビはキー局である日本テレビに問合せをしたそうです。その結果はNG。結局放映出来なかったそうです。
「私は一体何をしているのだろうか?」と、強く感じたそうです。

また、ネット社会の進化により、新しい事態が起こっていることお話くださいました。
・民主党代表選挙の模様が、【Ustream】でライブに配信されたこと
・尖閣諸島中国漁船衝突事件の映像が【youtube】で配信され流出したこと
・橋下知事の【twitter】でのつぶやきがもとで、大手メディアが謝罪したこと など。
「今のテレビのままでは、将来存在しえないのではないか?」と、脇浜さんの問題意識は強くなる一方だそうです。


ローカルメディアが果たす役割は?

対談する脇浜さんと竹中理事長
対談する脇浜さんと竹中理事長
会場から質問を受ける脇浜さんと竹中理事長
会場から質問を受ける脇浜さんと竹中理事長
脇浜さんの博士論文のテーマは「地域民間放送の経済分析」。

「日本型のテレビネットワークは東京キー局を中心とする中央集権的システム。全国に等しく情報を伝達し、地方のニュースを中央に吸い上げ全国に波及させるという役割を果たしてきました。また、創造的、労働集約的、装置産業という特性を持つ放送事業においては、資源を集中させて番組作りを行うネットワークは有効であるといえます。しかし、ローカル局の多くが放送番組の9割前後をネットワークに依存していることも事実。その上、キー局はローカル局に多額の電波料まで支払っており、極端に言えば、ローカル局は何もしないほうが儲かる不思議な仕組みになっている。」と、現状を解説してくださいました。
しかし、デジタル革命により“多メディア化”、“放送・通信の融合”が可能となり、正にパラダイムシフトが起きている現在、“マスメディア集中排除原則”や“県域免許制度”が様々な矛盾を生んでいると言われます。
「地域の情報のニーズが高まっている現在、これからのローカルメディアのあるべき姿とは、そこに潜んでいる多くのビジネスチャンスは何か?」と、会場に一石を投じて、脇浜さんのトークは一旦終了。

後半では、総務大臣時代に「通信・放送の在り方に関する懇談会」を開催などの実績がある竹中平蔵アカデミーヒルズ理事長も一緒に、会場との意見交換会が行われました。
・日本人は「ペイテレビ」に抵抗があるのではないか?
・TVをそもそも見ない。キー局とローカル局の関係の前に、「TV離れ」にどのように対処すべきか?
・ハードディスクレコーダーに録画してCMはスキップしてTVを見ている。そうすると、今の広告収入というビジネスモデルには限界があるのではないか?
・TVには見たいコンテンツがない。今のニーズを捉えていないのではないか?

様々な質問を受けて、
脇浜さんは、「視聴率重視の現在、国際問題など社会性のあるコンテンツより、娯楽関連の方が視聴率を取れる。だから娯楽系番組が多くなる。視聴率という考え方に限界がある」、竹中理事長は、「スピリッツ・オブ・ジャーナリズムでは、権力から距離をおくこと、大衆からも距離をおくことが重要といわれている。視聴率を気にすることには矛盾がある」とコメント。

活発な議論が繰り広げられる中、熱いライブラリートークは終了しました。

関連書籍

テレビ局がつぶれる日

脇浜紀子
東洋経済新報社

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