記事・レポート
活動レポート
他の人の話を聞きながら、自分自身の問題に気づきました
~リビングライブラリーとは、つながりと社会と自分を考えさせてくれる機会~
ライブラリートーク
【ライブラリートーク・レポート】
リビングライブラリー ~「生きている本」が語る多様な人生~
ファシリテータ:中邑 賢龍(東京大学先端科学技術研究センター 教授)
生きている本(ゲスト):熊谷 晋一郎(医師/脳性まひ)
綾屋 紗月(東京大学先端科学技術研究センター研究者支援員/アスペルガー症候群)
2011年1月12日(水)開催
六本木ライブラリーの蔵書は17,000冊。決してたくさんの本があるわけではありません。けれど、ライブラリーメンバーになって下さっている方たちは3,200人を超えました。
私たちは、このようなメンバーの方それぞれが、「本」と同じように、語るべき知識や経験をお持ちだと思い、それをシェアする場としてライブラリーを開館しました。
同じように、「本を読んで物語を知るのと同様に、様々な人から直接、その物語を聞こう」と生まれたのが、リビングライブラリー。デンマークで生まれ、世界に広まった活動です。
六本木ライブラリーでは2010年7月に第一回を開催しました。
今回本となって下さったのは、脳性まひによる車椅子生活を送りながら東京大学を卒業し、小児科医として働く熊谷晋一郎さんと、アスペルガー症候群と診断されている綾屋紗月さん。
「自分の子どもが病気になって担ぎ込まれた病院で、僕のように車椅子に乗っていて手つきもあやしい医師が担当になったら、大抵の両親は引きますよね」とおっしゃる熊谷さんは、特に仕事の多い、忙しい病院に勤務するようになったら、かえって周囲の医師との連携がうまくいくようになったと言います。
その理由は、あまりにも忙しいので熊谷さんが他の医師と違う方法で治療をしていても、他の人が気にしている暇がなくなったから。
「とにかく患者さんを助けよう」ということで手いっぱいのチームでは、これが正しいやり方だ、ということに拘っている余裕がなくなるのです。
私たちは、このようなメンバーの方それぞれが、「本」と同じように、語るべき知識や経験をお持ちだと思い、それをシェアする場としてライブラリーを開館しました。
同じように、「本を読んで物語を知るのと同様に、様々な人から直接、その物語を聞こう」と生まれたのが、リビングライブラリー。デンマークで生まれ、世界に広まった活動です。
六本木ライブラリーでは2010年7月に第一回を開催しました。
今回本となって下さったのは、脳性まひによる車椅子生活を送りながら東京大学を卒業し、小児科医として働く熊谷晋一郎さんと、アスペルガー症候群と診断されている綾屋紗月さん。
「自分の子どもが病気になって担ぎ込まれた病院で、僕のように車椅子に乗っていて手つきもあやしい医師が担当になったら、大抵の両親は引きますよね」とおっしゃる熊谷さんは、特に仕事の多い、忙しい病院に勤務するようになったら、かえって周囲の医師との連携がうまくいくようになったと言います。
その理由は、あまりにも忙しいので熊谷さんが他の医師と違う方法で治療をしていても、他の人が気にしている暇がなくなったから。
「とにかく患者さんを助けよう」ということで手いっぱいのチームでは、これが正しいやり方だ、ということに拘っている余裕がなくなるのです。
同じように綾屋紗月さんは、多くの人よりも神経が過敏になって、自分の周囲の音や色彩、あらゆるものが話しかけてくるかのようにうるさく飛び込んできて混乱し、そのために今自分が何をすべきかがわからなくなってフリーズしてしまう、という日常を、画像スライドも使ってわかりやすく教えてくれました。
私たちが当たり前だと思っていたことは、実は当たり前ではない。
知らないうちに「○○すべきだ」という無用な決めつけを行っていることがいかに多いかを痛感したライブラリートークでした。
会場の参加者からは、
「世の中には本当にこういう人もいるんだと初めてわかった」、
「お二人のお話はとても深く心を打つもので、自分の中にある”~ねばならぬ”という無用な思い込み等に気づかされました」、
「正しいとか、適切とか、効率とかという概念が一方的だったことがわかりました」
「当事者の方からの声を直接聞くことは、本や論文からの情報や専門家からの話とは違うと感じた」、
「今まで考えたこともなかったけれど、自分の中に偏見があるんだと知ってびっくりした」
と、多くの熱い声が寄せられました。
他の人とのつながりや認められるということの大切さ、語ること・聞くことの意味など、六本木ライブラリーにとっても重要な示唆を頂きました。
「今日のように本のお二人の話を聞くことと、紙の本との違いも味わって下さい」と、ファシリテイターの中邑賢龍・東京大学先端科学技術研究センター教授から最後に紹介されたのは、熊谷さん、綾屋さんの共著、『つながりの作法』(NHK出版生活人新書)。
ぜひこの本を購入して、リビングライブラリーの世界をのぞいてみて下さい。
私たちが当たり前だと思っていたことは、実は当たり前ではない。
知らないうちに「○○すべきだ」という無用な決めつけを行っていることがいかに多いかを痛感したライブラリートークでした。
会場の参加者からは、
「世の中には本当にこういう人もいるんだと初めてわかった」、
「お二人のお話はとても深く心を打つもので、自分の中にある”~ねばならぬ”という無用な思い込み等に気づかされました」、
「正しいとか、適切とか、効率とかという概念が一方的だったことがわかりました」
「当事者の方からの声を直接聞くことは、本や論文からの情報や専門家からの話とは違うと感じた」、
「今まで考えたこともなかったけれど、自分の中に偏見があるんだと知ってびっくりした」
と、多くの熱い声が寄せられました。
他の人とのつながりや認められるということの大切さ、語ること・聞くことの意味など、六本木ライブラリーにとっても重要な示唆を頂きました。
「今日のように本のお二人の話を聞くことと、紙の本との違いも味わって下さい」と、ファシリテイターの中邑賢龍・東京大学先端科学技術研究センター教授から最後に紹介されたのは、熊谷さん、綾屋さんの共著、『つながりの作法』(NHK出版生活人新書)。
ぜひこの本を購入して、リビングライブラリーの世界をのぞいてみて下さい。
関連書籍
つながりの作法 同じでもなく違うでもなく
綾屋紗月 熊谷晋一郎生活人新書
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