六本木ヒルズライブラリー

【アペリティフ・ブックトーク 第38回】
 Quo Vadis,Iaponia? ~「戦後70年」さて、この後は? (19:15~20:45)

【スピーカー】澁川 雅俊 (ライブラリーフェロー)

ブックトーク

【ライブラリーメンバー・一般対象】事前のお申込みは不要です。当日会場へお越しください。
※ライブラリーメンバー以外の方もビジターチケット(2,000円)にて、参加いただけます。
【会 場】アカデミーヒルズ (六本木ヒルズ森タワー49階)

日時

2016年02月19日 (金)  19:15~20:45
終了しています

内容

少々凝ったこの題名は、聖書の中のことばのパロディです。元の語句は‘Quo Vadis, Domine? '(「主よ、何処に行き給う?」)です。紀元元年激しい迫害を受けたキリスト教徒と共にローマを逃れたパウロが、アッピア街道で幻のイエスに出会い、そう問いかけました。それに対して主は「汝、我が民を見捨てなば、我、ローマに行きて今一度十字架にかからん」と応えたというのです。それを聞いたパウロはもちろん道を引き返し、結果受難。しかし彼は教団繁栄の礎となりました。
 
今年〈戦後70年本〉がたくさん出版されました。「戦後」は、もちろん太平洋戦争終結後のことを指します。しかし重要なのはその時期にあるのではありません。

その戦争で日本は国の根幹に大変動がありました。とりわけ、私たち個人と国の関係に大きな変化がありました。君主制であった国家がその時を境に民主制に変換したのです。そのことは、新しいレジームの下で生まれ、目覚ましい繁栄の中で育った戦後生まれの日本人には何ら変哲もないことかもしれません。しかし戦前生まれの人たちには格別の感慨があります。

生まれて七十年目を‘良く生きながらえた’と賞賛する意味で「古稀」と銘打ちますが、その節目にそれらの戦後70年本は何を訴えているのでしょうか。