六本木ヒルズライブラリー
ライブラリアンの書評 2021年2月
毎日続々と新刊書籍を入荷するライブラリー。その数は月に200~300冊。
その書籍を司るライブラリアンが、「まさに今」気になる本は何?
ひきこもるとは、同じ場所にじっといて、出ないこと。
自らの意思、あるいは致し方ない事情により、部屋・空間にひきこもる12の物語。望む望まないにかかわらず、出られない状況において人はどのように過ごし、いかなる心情を抱くのでしょうか。
たとえば萩原朔太郎による、病気のために部屋から出られなくなる『病床生活からの一発見』。
ずっと部屋にいる状況は暇で仕方ないだろうと思われますが、健康な時に感じていた「何もすることがない」退屈感は、不思議とどこかへ行ってしまう。
暇を埋めるようにスマホの画面をスワイプする私たちが忘れつつある、物事にじっくりと対峙すること、時間をかけて何かを眺め続けること。それらはひきこもることで見えてくる事柄。
コロナ禍において感染症拡大を阻止するためのステイホーム。家に居ることを推奨する社会状況は、「ひきこもる」という言葉自体の意味を変えてしまったように思われます。
自らの意思、あるいは致し方ない事情により、部屋・空間にひきこもる12の物語。望む望まないにかかわらず、出られない状況において人はどのように過ごし、いかなる心情を抱くのでしょうか。
たとえば萩原朔太郎による、病気のために部屋から出られなくなる『病床生活からの一発見』。
ずっと部屋にいる状況は暇で仕方ないだろうと思われますが、健康な時に感じていた「何もすることがない」退屈感は、不思議とどこかへ行ってしまう。
暇を埋めるようにスマホの画面をスワイプする私たちが忘れつつある、物事にじっくりと対峙すること、時間をかけて何かを眺め続けること。それらはひきこもることで見えてくる事柄。
コロナ禍において感染症拡大を阻止するためのステイホーム。家に居ることを推奨する社会状況は、「ひきこもる」という言葉自体の意味を変えてしまったように思われます。
(ライブラリアン:結縄 久俊)
ひきこもり図書館
頭木弘樹毎日新聞出版
注目の記事
-
11月20日 (水) 更新
aiaiのなんか気になる社会のこと
「aiaiのなんか気になる社会のこと」は、「社会課題」よりもっと手前の「ちょっと気になる社会のこと」に目を向けながら、一市民としての視点や選....
-
10月22日 (火) 更新
本から「いま」が見えてくる新刊10選 ~2024年10月~
毎日出版されるたくさんの本を眺めていると、世の中の”いま”が見えてくる。新刊書籍の中から、今知っておきたいテーマを扱った10冊の本を紹介しま....
-
10月22日 (火) 更新
メタバースは私たちの「学び」に何をもたらす?<イベントレポート>
メタバースだからこそ得られる創造的な学びとは?N高、S高を展開する角川ドワンゴ学園の佐藤将大さんと、『メタバース進化論』を出版されたバーチャ....
現在募集中のイベント
-
開催日 : 12月17日 (火) 19:00~20:30
note × academyhills
メディアプラットフォームnoteとのコラボイベント第1回。近著『きみのお金は誰のため』が25万部超のベストセラーとなっている、社会的金融教育....
「そもそもお金って何?未来をつくるためのお金の教養」
-
開催日 : 11月28日 (木) 19:00~20:30
World Report 第10回 アメリカ発 by 渡邊裕子
いま世界の現場で何が起きているのかを、海外在住の日本人ジャーナリスト、起業家、活動家の視点を通して解説し、そこから見えてくることを参加者の皆....
「ハリス V.S. トランプ 米国大統領選挙結果を読み解く」