日本元気塾

日本元気塾6期フィールドワーク「ビッグイシュー日本 道端留学」開催!

~社会問題に対して自分に何ができるのか?~

日本元気塾活動レポート

アカデミーヒルズ スタッフの活動レポート
開催日:2018年7月29日(日)、8月5日(日) @新宿南口
        8月6日(月) @アカデミーヒルズ
文/福岡・写真/アカデミーヒルズ

ホームレスの人々の仕事を作り、自立を応援する雑誌『ビッグイシュー日本版』! その仕組みとは?

今期2回目となる日本元気塾フィールドワークは、「ビッグイシュー道端留学」です!『THE BIG ISSUE』と書かれた雑誌を駅前などで販売している方を見たことがある人も多いはず。この雑誌を販売しているのは、ホームレス状態の販売者の方です。その現場に「留学」し、実際に販売者と共にビッグイシューを路上で販売する、という体験でした。

1991年にロンドンでジョン・バード氏により創刊された雑誌「Big Issue」。2003年には日本でも『ビッグイシュー日本版』として創刊されました。その使命は「社会的企業として、ホームレスの人々に働く機会を提供」すること。自分で成し遂げたという達成感によって人は自信を得て、前向きに生きる力を得ることができる、という「セルフヘルプ」の考えのもと、「雑誌販売」を通じた経済的自立と社会参加の機会獲得を支援しています。一冊売れるごとに定価350円のうち180円が販売者の収入になり、この利益を販売者の皆さんは、次の仕入れの資金や生活費、貯金などにされています。最終的には住まいを確保し、ビッグイシュー販売以外の仕事を得てもらうことを一つの目標としています。
当初、「日本では絶対にうまくいかない」と思われた『ビッグイシュー日本版』も、今年で15周年。すでに343号(2018年9月時点)が発刊、累計811万冊を販売し、これまで累計約12億円を超える収入を販売者に提供してきました。

いざ、販売体験!

日本元気塾生は『ビッグイシュー日本版』の販売者がいる新宿西口エリアで道端留学に参加しました。まずは現役販売者さんに販売方法をご指南いただきました。
販売者さんによると「とにかく手を高く上げる、そして売れたら感謝の気持ちをお伝えし、少しでもしゃべる」とのこと。新宿西口だけでも4か所で販売されている『ビッグイシュー日本版』。多くの人が行き交う新宿西口ではまず販売していることに気づいてもらい、買ってくれた方とはコミュニケーションをとることで、また来てもらうことが大切だとお話しいただきました。買われる方はどんな方が多いのかお聞きしたところ、「知的な感じの女性」との反応が返ってきました。
いよいよ実際の販売体験です。気温が35度と猛暑を記録したこの日、販売場所は日陰とはいえ、ムシムシする新宿西口前で一人20分間×3回、休みをとりながら実施しました。
しかし、立っていれば売れるというものではありません。道行く人の数は多いですが、目も合わせてくれない方がほとんど。塾生はそれぞれに声を掛けながら、どうしたら売れるのか試行錯誤されていました。
参加者からは「社会から孤立してしまったように感じた」という人もいたほどです。結果は一冊も売れなかった人がほとんど。それでも一冊売れたという人からは、「涙が出るほどうれしかった。社会に受け入れられたように感じました」と話します。


フィードバックセミナー!

ビッグイシュー日本 東京事務所・長崎所長を囲んでのフィードバックセミナーを後日開催しました。
「ホームレスとはいったい何のことなのか?」
「なぜホームレス状態に陥るのか?」
ホームレスをめぐる社会背景から、雑誌販売以外のビッグイシューの取組みについて長崎さんより詳しくお話しいただきました。
ビッグイシューは、働く場以外の場面でも精神的な自立を支援するための各種プログラムを行っています。2007年にNPO法人ビッグイシュー基金を立ち上げ、路上生活から脱出するための情報提供や生活・健康面のサポート、就業支援やクラブ活動の実施など、実にきめの細かいサポートに取り組んでいます。
こういった活動の中でも、長崎さんは「とりわけクラブ活動は、人とのつながりや生きる喜びを実感するうえでとても大切」と話します。特に最近活発になっているのが、パソコンクラブだとか。パソコンを触った経験がない人がほとんどですが、「学び始めるとどんどん疑問や好奇心が湧いてきて、とても盛り上がっている」のだそうです。また、「路上でビッグイシューを販売していると、外国人に道を聞かれる、英語を話せるよういなりたい」という素朴な要望から始まった英語クラブや、サッカークラブなどもあるそうです。
生きるためには、経済的な自立ももちろんですが「人と対等につながっている」ことや「生きている喜びを感じられる」といった精神面でのサポートも同じくらい大切であることを塾生それぞれが学びました。

社会的課題をビジネスで解決!あなたには何ができる?


講演後には米倉塾長とともに「どうすれば、もっとビッグイシューが売れるのか?」を塾生みんなで議論しました。

塾生からは、
「もっとプロモーション活動や戦略的にマーケティングをしてみては?」
「オンライン販売をしてみては?」
など、思い思いに提案が飛び交いました。
(※実際には、バックナンバーの通信販売や販売者不在地域限定の定期購読の仕組みがあります。URLhttps://www.bigissue.jp/buy/)


しかし、ここで米倉塾長より喝が入ります。
「こうすればいい?ではなく、自分が何ができるのかを発言しなさい!」

参加者それぞれにビッグイシューの取組みを「自分事」としてとらえること、そして「何を解決したいのか?」という目的意識が欠けていることに気づかされたのではないでしょうか?

誰もがホームレスになってもおかしくない社会。
そのためにどんなセーフティネットが社会には敷かれるべきなのか?
そして、自分ならこの問題について実際にどんな行動がとれるのか?

今回参加した塾生は課題を解決する上で一番大切な「自分事として課題をとらえ、自分事として行動を起こす」ことを、ビッグイシュー販売体験を通して深く学んだに違いありません。短い時間でしたが、それぞれに考えさせられ、そして考えるだけでなく行動につなげることの重要性を学んだフィールドワークとなりました。