日本元気塾

同じ仕組みやモノサシでは成長は止まってしまう、新しいモノサシを見つけてほしい

~髙島郁夫氏×米倉塾長 対談レポート~

日本元気塾
更新日 : 2016年06月20日 (月)

第1期~第3期で講師をつとめ、4期は休講していた髙島氏のゼミが復活。米倉塾長との対談で、今回のゼミで新たに伝えたいことを伺いました。
収録日:2016年4月11日 撮影:大畑陽子

収録 2016年4月11日



米倉氏:今期はどのような講座になりそうですか?

髙島氏:1~3期のゼミでは主に起業について語ってきましたが、起業後のことはあまり語ってきませんでした。今期は元気塾をお休みしていた期間に経験したことも含めて、企業そして個人の成長について教えたいです。

米倉氏:これまでバルスは経営転換としてMBO実施により非上場化。香港を拠点に海外に渡り、激動のなか返り血も浴びたかもしれません。セブン&アイとの間で資本業務提携契約を締結するなど大きな転換を行った今の髙島さんに塾生は聞きたいことたくさんあるでしょうね。

髙島氏:自分の経営が浅かったなと感じたこの2~3年。会社の規模が大きくなって、内部の仕組みを変える経験をしました。「量から質」への成長に完璧にシフトして、経営も自分自身も大きく変わりましたね。

米倉氏:最近の論調として、0から1をつくり出すのは大変だけれども、1から10、10から100にするのは簡単なように言われていますが、必ずしもそうではないと思います。


髙島氏:やはり、これまで積み上げてきた過去がある分、途中で変わるということは、新しいものを生み出す以上の力が必要になるというのが実感ですね。
ただ、変えていかないと企業を存続できなくなります。バルスは今年で26年目ですが、実は前々期、会社は営業赤字を計上しました。しかし、前期の営業利益は黒字に転化し、今期は更に増益の見込みです。

米倉氏:それは「量から質」への転換をしたからですか?

髙島氏:そうですね。全体的な店舗数を減らし、商品やサービスにおいてスタイリッシュで良いものを提供することで「質」を変えていきました。営業利益につながる転換を如実に実践できた経験はすごく大きかったですね。

米倉氏:なるほど。そのようなことも含めて、経験を伝えるというのは塾生にとってもありがたいことです。それに「変革だ」と言って髙島さん自身は変われても、組織になるとすぐには変われないですよね?

髙島氏:もちろん。それはもう、根比べです。ただ、目標売上げの壁を越えるには仕組みを変えないといけませんでした。1つ言えるのは、このように仕組みを変えて黒字転換して結果を出さないと人は信じないということです。

米倉氏:「変えないと壁を越えられない」それが分かったことは大きいですね。例え失敗したとしても、失敗を認めてそこから気付きを得るのは簡単そうで意外にできません。同じことを続けたらどこかで売上が伸びたり変わるのではないかと思ってしまったりもするでしょう。

髙島氏:失敗から何に気づき、その気づきを何に着地させていくかが大切ですよね。今までと同じモノサシではなくてどこかで変えないといけません。そしてみんなの価値観も違う価値観に変えていかないと、延長線上では変われないんですよ。
自分のビジネスの尺すら見えてない人もいて、100のメモリがあることに気づくのにも時間が掛かります。「100のうち今は10だからまだまだ20、30、50と伸び代があってやれるんだ」と気づけるかどうかで人も企業も変わると思います。これはどんな仕事にも当てはまると思うのですが、「もうこんなもんだ」と思った時点で成長はそれまでになってしまいますよね。


米倉氏:未来に向けて背中を押してくれる話を聞ける塾生は幸せですね。

髙島氏:このようなことは成功したから話せますが、もちろん変えようとして失敗もしていますよ。中国進出当時は、巨大マーケットである中国等アジアに出て店舗を増やせば利益は上がると思っていましたが、失敗でしたね。

米倉氏:原因は何でしたか?

髙島氏:富裕層だけではなく、一般の人がクリエイティブでオシャレなものに興味がある文化でないとこの事業は成功しないからです。

米倉氏:お金持ちがたくさんいるから良い市場というわけでもないし、成長しているから良い市場というわけでもないですからね。売るモノや時代にもよりますよね。例えば洗濯機が初めて開発された時代に売るのと、既に洗濯機が普及している時代に売るのとではマーケットが違います。それをどのように見分けて開拓できるのか、その中でどうモノやサービスを売っていくのかが21世紀の課題ですね。

髙島氏:そうですね。どのマーケットを自分たちが見るべきかを忘れると、あっという間に流されてしまいます。それに今は消費者がモノを買わなくなっています。
お金がないから買わないのではなくて、長く使えるいいモノを知って、モノの価値を理解すればするほど買わなくなる傾向です。
例えば、お金持ちがプライベートジェットを買っても誰も羨ましがらず、みんな「ふーん」と思うだけ。それに車だって富裕層が増えている中、昔ほどは売れなくなっています。そのような状況を見ていると消費の変化を感じます。

米倉氏:モノを売ろうとしても消費者は買わないわけです。安かろう悪かろうのジャンクなものを買っても仕方がないと。
コンビニも最初は手軽さだけを追求していたのかもしれません。でも今は健康を考えたものや、こだわりの美味しい食品を提供することでレベルが一気に上がりましたよね。
消費者がこだわりをもってモノを選ぶようになりましたから。今の断捨離ブームもその象徴かもしれないですね。

髙島氏:断捨離って単に片付けるだけかと思っていましたが、実際にやってみると自分の身の周りがシンプルになったからこそ見えるものがありました。

米倉氏:モノを捨てるというのは整理するだけじゃなくて、自分の中にあるモノを整理していくことなんでしょうね。

髙島氏:この時代にマスにモノを売るって難しいですよ。将来は更に厳しくなるでしょう。しかし、ニッチに考えれば悲観的ではないかもしれません。消費者が消費しない時代に、いかにしてモノを売るか。そんな話も塾生としたいなと思っています。

米倉氏:それでは、今回はどのような塾生に参加してほしいですか?

髙島氏:今ある会社や立場で革新したいと思っている人や、起業を考えている人に参加してほしいです。今の世の中、大企業でも公務員でも未来はどうなるか分かりません。だからこそ、「自分の好きなことをやるのが一番!」とみんなには話しています。大きい組織でも個人でもクリエイティブさは必要ですから。
僕たちも全く新しいことを生み出したわけではなくて、世の中にある成功事例の中でどれを取り入れられるかと色々考えながらやってきました。近くにヒントはたくさんあるんですよ。

米倉氏:それがイノベーションですよ。必要なことを組み合わせて、そこから新しい価値をつくるのですから。どんな立場であれ一番必要なことは、現状を少しでも変えようと自分で働きかけようとする気持ちです。
講師の経験談から、その熱をリアルに感じて学んでほしいですね。

髙島氏:そうですね。僕もここ2~3年で「こんなものかな?」と自分で決めていたモノサシは違うと気づきました。そして、まだまだやりたいことはたくさんあるし、アイディアも浮かんでいます。同じ仕組みやモノサシでは成長は止まってしまうと気づいた今、多くの塾生にも新しいモノサシを見つけてほしいと思っています。

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