セミナー・イベント

デザインビジネス最前線
リテールバンクの富裕層拠点における
デザイン空間がもたらす新たな顧客価値の創造
~「顧客を会員へ変える」三菱東京UFJに見るデザインとサービスの融合~

日時

2007年02月21日 (水)  15:00~17:00
終了しています

内容

今回は、リテールバンクにおいて、特徴的な空間デザインで話題を集めている富裕層拠点を実際に手がけている三菱東京UFJ銀行のマーケティング・商品サービス部副部長の長谷川氏をゲストにお迎えします。

同行では、日本の銀行では初の取り組みとして、一昨年より、渋谷、名古屋、神戸、京都などの主要都市に富裕層専用拠点をオープンしています。それは、富裕層である会員をターゲットにしたもので、米国人建築家ニール・デナーリ氏がインテリアから内装までを設計した、まるでホテルのラウンジのような、会員専用のゆったりとした空間です。こうした洗練された空間の中、会員は、簡単な入出金や振込みから資産運用の相談までのサービスを、順番を待つことなく、ソファに座ってリラックスしてワンストップで受けられます。

こうしたサービスは、今まで、同行のみならず、どのリテールバンクにおいても実施されていませんでした。従来、日本の銀行ではすべての利用者に対して均一的に対応するのが基本でした。たとえば、顧客である預金者は、預金高に関わらず誰もが順番に並ぶというシステムです。また機能の提供のみが優先されたシステムで、空間設計も各行横並びの状況でした。その結果、銀行は、顧客価値の差異化、ひいてはブランドを生みだしにくい業界の一つとされてきました。

同行において、セグメンテーションを導入し、富裕層専用拠点を開設することは、会員富裕層の利用頻度を上げ、預金高や収益をあげるための手段の一つでしたが、こうした手段であった空間デザインが、ユーザーにとっての「経験の場」となり、新たな顧客価値を創造しつつあります。

本講座では、以上の具体的な事例を通じて、デザインがどのような新しい価値を創出したのか、そして、どうすればデザインを活かすことができるのか、そうしたマネジメント手法を学びます。デザインがもたらす新しいマーケティング戦略の価値を実感してもらえることと思います。銀行ビジネスに関係なく、どんなジャンルの方にとっても、ブランド創出あるいは再生を考える手がかりとなる講座です。

※ゲストスピーカーによる一方通行のセミナーではなく、少人数制、質疑の時間も設けたインタラクティブなスタイルの講座です。受講者は、講義における不明な点やご自身が抱えている課題などをゲストにお問合せいただき積極的にご発言ください。

主なディスカッション項目
・三菱東京UFJ銀行のセグメンテーションの狙いとは
・富裕層戦略のターゲットとは
・富裕層専用拠点の空間デザインやオペレーションの特徴や工夫とは
・空間デザインやプロセスデザインがもたらす顧客価値とは
・このケースから学べる点は何か

受講をお勧めしたい方

・ 企業でマーケティング・商品開発に携わる方
・メーカーで新規事業・新規ブランドなどの立上げに携わる方
・マーケティングの知識を学びたいデザイナー

講師紹介

ゲスト講師
長谷川建一 (はせがわ・けんいち)
三菱東京UFJ銀行 マーケティング・商品サービス部 副部長

1988年大学卒業後、シティバンクに入行。資本市場畑で資金・債券・金融派生商品のディーリングを担当し、シティバンク本店(ニューヨーク)でもポートフォリオマネージメントや米国債のディーリングで活躍。1999年に帰国し、シティバンク個人金融業務で商品開発担当部長、プライベートバンク業務でマーケティング本部長を歴任。2004年東京三菱銀行に入行。現在は、三菱東京UFJ銀行マーケティング・商品サービス部副部長としてリテール部門のマーケティング活動をリードし、業務企画・運営に携わる。

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モデレーター
西川英彦 (にしかわ・ひでひこ)
法政大学 経営学部 教授

1962年兵庫県生まれ。1985年同志社大学工学部電子工学科卒業、同年株式会社ワールド入社。
2001年ムジ・ネット株式会社取締役。2004年神戸大学大学院経営学研究科 博士課程後期課程修了。博士(商学)。
2005年立命館大学経営学部准(助)教授、2008年同教授、2010年4月より現職。

専攻:マーケティング論、ユーザー・イノベーション論

主な著作:『1からの商品企画』(共編著、碩学舎)、『小売業の業態革新』(共著、中央経済社)、『ビジネス三國志』(共著、プレジデント社)、『1からの流通論』(共著、碩学舎)、『仮想経験のデザイン』(共著、有斐閣)

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講座趣旨

携帯電話、家電、自動車、住宅—マーケティング競争が激化する現在、多くの業界で「デザイン」が注目されています。
「デザイン」という着眼点は、ある意味、目につき易く単純に見えるかもしれません。だが、こうした「デザイン」が、ビジネスの成否における重要なカギの一つとなっているのです。製品の価格や性能での差別化が困難になっている今日の市場では、「デザイン」を起点として、顧客を捉えることは不可欠な動きとなっています。

これからは、「デザイン」によって新たな顧客価値を創出し、利益を上げる企業と、「デザイン」をうまく利用できずに利益を上げることができない企業の差がますます広がる可能性があります。

継続的な利益を生むためには、単なる「いいデザイン」を超えた仕組み=マーケティング戦略がなければなりません。まさにデザインを起点に創造する戦略、すなわちデザイン・ドリブンのマーケティング戦略の必要性です。

本講座では、多くの企業が抱えている「デザインがよければ売れるのか」、そして「どうしたらデザインを経営に活かすことができるのか」という問いに様々な形で答えた企業の方をゲストとしてお招きします。

流通、価格、PR、そしてビジネスモデルなどの視点から「デザイン」とマーケティングの要素を巧みに結びつけたプロセスや、そのマネジメントの工夫を聞き、参加者の皆さんとの議論を通じて、その成功の裏側にあるマーケティング戦略の特徴や課題を学びます。


開催実績

田中耕一郎 (株式会社Projector代表 /クリエイティブディレクター)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 :  2009/08/03 (月)

佐藤敏明 (モバイルターミナル事業本部 モバイルターミナル商品戦略本部
チーフクリエイティブディレクター)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 :  2008/10/10 (金)

小牟田啓博 (Kom&Co.代表取締役/デザインプロデューサー)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 :  2008/07/24 (木)

手林大輔 (株式会社ベネッセコーポレーション Worldwide Kids事業部
マーケティングセクション リーダー)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 :  2008/05/22 (木)

浜野貴晴 (プロモダクション デザインディレクター)
菅村大全 (プロモダクション マーケティングディレクター)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 :  2007/11/16 (金)

金井政明 (株式会社良品計画 代表取締役専務取締役)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 :  2007/06/28 (木)

吉川稔 (株式会社リステアホールディングス 取締役副社長)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 :  2007/05/24 (木)

鄭秀和 (有限会社インテンショナリーズ 代表取締役/株式会社リアルフリート クリエイティブディレクター)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 :  2007/03/22 (木)

小牟田啓博 (Kom&Co.代表取締役/デザインプロデューサー)
西川英彦 (法政大学 経営学部 教授)
開催日 :  2006/11/16 (木)

募集要項

日時 2007年02月21日 (水)  15:00~17:00
受講料 29,800円
定員 50名

※定員になり次第締め切らせていただきます

主催
  • アカデミーヒルズ
会場 アカデミーヒルズ49(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー49階)

※都合により40階に変更する場合、受講生には直接ご案内いたします。


未来自分会議<キャリア×時間>
六本木アートカレッジ