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『カタログからネットへの通販改革~「ベルメゾンネット」の成功にみる総合型ECサイト運営の鍵~』

BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2008年08月21日 (木)

第3章 紙のカタログとネット。それぞれのいいところを合わせる

アカデミーヒルズRoppongi BIZセミナーの様子

中山茂: ECから始まった企業と違うのは、我々はスタートが早かったということです。それまでにカタログのお客さまがかなりおられたことから、まずこの強みをネットにシフトし、カタログでできないところを補完しよう、というのが第1ステップでした。

次に、カタログのいいところと、ネットのいいところをリアルタイムにコンテンツに反映しようという部分に取り組みました。うまくいっている事例をいくつか挙げたいと思います。

我々は、すでにオリジナル商品を開発するのに慣れていますので、お客さまの意見をかなり反映した形でメーカーと一緒に動けます。ただ、通常ネットで開発した商品をネットだけで売ると、よほどのヒット商品でないと限界があります。そこで我々はネットで先行販売もしながら、カタログにもどんどん載せました。

お客さまの声をしっかり聞いて真面目に開発した商品というのは、カタログ上でもヒット商品になります。ネットで売れてカタログでも売れると原価に影響し、お客さまに提供するときの値段にストレートに反映できます。ネットとカタログの強みを融合したパターンです。

もう1つ、カタログをそのままデジタルにしているのは、今では当たり前ですが、おそらく当社が初めてで、クオリティにはこだわりました。単なる商品 の羅列ではなく、まるで雑誌のような撮影とページづくり、これをカタログで届けないと見られないというのは非常にもったいないと思いました。逆にこれを Webだけの特集でつくろうとするとかなりの製作費がかかってしまいます。カタログとWebのデータベースをいかにからめてリソースとして提供できるか が、連携のメリットです。

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