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「モバゲータウン」の強さとは

BIZセミナーオンラインビジネス
更新日 : 2008年09月04日 (木)

第7章 コミュニティ機能を活かしたEC展開

畑村匡章さん

畑村匡章: ECの分野でも頑張っています。「アバターを買うためのモバゴールドをショッピングの分野でもポイントみたいに使いたい」という声がありました。『モバデパ』という『モバゲータウン』経由で商品を買えるサイトがあり、例えばそこで16万円するノートパソコンを買うと約16,000ゴールドがもらえます。

「『モバゲータウン』のユーザーなら、どうせ買い物をするならここで買いましょう」というように、ユーザーを呼び込んでいるのですが、モバゴールドが欲しいということで使う方が結構多いです。また、「買い物をしたら、レアなアバターがもらえる」という取り組みもやっていて、面白いショッピングサイトになっていると自負しています。

SNS機能との連携もやろうということで商品を買った人が日記を書くことによって、商品が宣伝されるような取り組みを始めています。読んだ人が閲覧や購入をするので商品の宣伝になるという、コミュニティの機能を活かしたECの取り組みです。

『モバデパ』は、2007年の2月を起点とした場合、同年10月の時点で4倍ぐらいのアクティビティが得られているので、ECとの連携は非常にうまくいっていると思います。

流行りの「ケータイ小説」も提供していますが、広範囲の人に受け入れられているコンテンツだと思います。今の若い世代の人というのは確実にケータイ小説に興味を持っているようです。

漫画は手塚治虫という人が現れるまでメジャーなものにはなれなかったのではないかと考えているのですが、今、ケータイ小説はそういう段階なのかなというふうに個人的には思っています。気づいたら、「あれが歴史の転換点だったね」と言われる日が、もしかしたらもうすぐ来るのかもしれません。

サイトでケータイ小説を立ち上げたのは、去年(2007年)の3月ぐらいだったと記憶しているのですが、今では35万本ぐらいの小説が投稿されていて、非常に高いアクティビティを得られています。1日のページビューが小説だけで1億を超えるような日もあって、私たちの提供しているコンテンツの中でも非常に人気があります。投稿コンテンツの商品化では、講談社さんと一緒に展開した「モバゲー小説大賞」で『最愛の君へ。』を出版しました。本当に人気のあるコンテンツなんです。