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カフェブレイク・ブックトーク『「天の川」の先の先』

更新日 : 2008年10月14日 (火)

第4章 星の数ほどある恒星、そして星座

『そこが知りたい天文学』、『双眼鏡で星空を楽しむ本』

澁川雅俊: よく「星の数ほどあるけれど……」などと言いますが、宇宙における恒星の数は、専門家だけでなく、私たちも素朴に知りたいことです。『そこが知りたい天文学』(福江純著、2008年日本評論社刊)は、そのことも含め、宇宙のさまざまな疑問について解説しています。

古代の人びとはそうしたたくさんの星々の中から特に光り輝く星と星を結びつけ、それに神話や伝説を重ね合わせて星座を形づくりました。『ヴィジュアル版星座図鑑』(藤井旭著、2008年河出書房新社刊)はそれらについてのハンドブックですが、この夏休みに夜空に星がよく見える信州あたりの山に出かけられるときに携えて行かれれば、楽しい夜が過ごされるでしょう。そんなとき、『双眼鏡で星空を楽しむ本』(藤井旭著、2008年誠文堂新光社刊)を持参すればもっと楽しいかもしれませんね。

● 〔天の川=銀河系〕そして銀河、銀河、銀河……

『よくわかる天の川銀河系—「我が銀河」の真の姿は?』
私たちは地球が所属する太陽系を含む銀河を天の川、もしくは銀河系と呼んでいます。『よくわかる天の川銀河系—「我が銀河」の真の姿は?』(2008年ニュートンプレス刊)はまさにそれについて詳しく解説しています。

今回のブックトークの準備に入るまで私はアンドロメダ星雲というものが天の川の外にあることは知っていましたが、〔天の川=銀河〕と考えていました。それは実際に私たちの眼で見ることができないものはないものという、いかにも"理科離れ"した考えに基づくものなのですが、天文学では眼に見えない星や天体も存在するのではないかという専門的疑問が、その後数々の星雲や銀河を発見したのです。

『モンスター銀河狩り〈やりなおしサイエンス講座2〉』(谷口義明著、2008年NTT出版刊)と『銀河—宇宙に浮かぶ不思議な天体ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた驚きの宇宙』(沼澤茂美・脇屋奈々代著、2008年誠文堂新光社刊)は、そのナイーブなの方程式を頑なに信じてきた者の眼を開かせてくれます。とりわけ20世紀末に米国のスペースシャトルで打ち上げられたバッブル宇宙望遠鏡による観測が始まってからは宇宙がどんどん遠くまで広がっており、さまざまな銀河や星雲などの存在が確認されています。

つい先週(2007年7月)のことですが、宇宙誕生直後に生まれた最古の"モンスター銀河"が発見されたとの新聞報道がありました。宇宙はますます広がっていくようです。

※書籍情報は、株式会社紀伊国屋書店の書籍データからの転載です。

関連書籍

そこが知りたい天文学

福江 純
日本評論社

ヴィジュアル版 星座図鑑 (新装版)

藤井 旭
河出書房新社

双眼鏡で星空を楽しむ本

藤井 旭
誠文堂新光社

よくわかる天の川銀河系 — 「我が銀河」の真の姿は?


ニュ−トンプレス

モンスター銀河狩り

谷口 義明
NTT出版

銀河—宇宙に浮かぶ不思議な天体 ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた驚きの宇宙

沼澤茂美 脇屋奈々代
誠文堂新光社

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