記事・レポート

日本元気塾第6期プレセミナー
レジリエンス(resilience)~自らの手で道を拓く力~

更新日 : 2018年01月16日 (火)

第6章 正しい答えより、いい質問や問いかけが人を伸ばす

藤森義明: 高い目標設定は大事ですね。1位を目指して結果として2位に終わることはあっても、最初から2位を目指したら絶対2位にはなれない。高い目標を達成するには、今までとは違ったやり方を考えざるを得なくなります。全く異次元の手法を編み出すことになる。だから自分の殻を破ることができるのだと思います。

米倉誠一郎: 高い目標を設定しても、ひとりでは自分のコンフォートゾーンから飛び出すことが難しいこともあります。そんなとき、リーダーやコーチ、トレーナーが背を押したり、導いたりする。藤森流はきっとガンガンやるだろうけど、中竹さんはどういう方法で導くのですか。

中竹竜二: 私の場合は、基本は「問いかけ」です。

米倉誠一郎: なるほど。藤森さん、聞きました? 社員に問いかけています?(笑)

藤森義明: いつも!(爆笑)。

米倉誠一郎: ほんとに?

藤森義明: ほんとですとも(笑)。一番いい指導はいい質問をすること。いい質問をするには、本当に深く知っていないとできませんけれども……。皆、質問されると考えます。最初から答えを教えたら考えなくなる。

米倉誠一郎: 教師も同じです。いい教師は答えを知っている人ではなく、いい質問ができる人。では、楠木流の導き方は?

楠木: 僕の場合は「こんなんでもいいんだよ」と見せることかな(笑)。なでしこジャパンの澤選手が「辛いときは私の背中を見て」と言いましたよね。僕の場合、意味合いは全然違うけれど、アプローチは同じです。

米倉誠一郎: そういう楠木君の芸風は昔から変わらないね。

楠木: 自分の核となっている芸風は変えてはダメだと思っています。それにはまず、自分の芸風に気づくことが大事。僕は元気塾でそれをお手伝いしたい。人の芸風を見抜くことについては、僕は相当に高いスキルがあります。

米倉誠一郎: 今でこそ僕も楠木君は凄いと思っているけれど、中竹さんは20年も前に楠木君の凄さを見抜いていた。楠木君のコラムを読んで、わざわざ大学まで逢いに行ったのでしょう?

中竹竜二: ええ、英国に留学中に、友人が送ってくれた大学院案内に楠木さんのコラムが載っていました。ひとことで言えば、組織の話ですが、皆とデフォルト(初期設定)とか視点が全然違う。衝撃を受けました。それで英国から一時帰国したとき、真っ先に逢いにうかがった。以来、親しくさせていただいています。


セミナー風景

 

該当講座


レジリエンス(resilience)~自らの手で道を拓く力~
レジリエンス(resilience)~自らの手で道を拓く力~

米倉誠一郎×藤森義明×楠木建×中竹竜二
困難に直面したときに「できない」と考えるか、「どうやったらできるか」と考えるか。それによって、物事の展開は大きく変わります。どんな時代、環境であっても、自らの手で道を切り拓くために必要なことは何か?どのように逆境に立ち向かってきたのか、それぞれの経験から語ります。