記事・レポート
「仕事に快楽を」Francfrancをつくった男の仕事哲学
髙島郁夫『遊ばない社員はいらない』出版記念セミナー in 日本元気塾
日本元気塾キャリア・人経営戦略
更新日 : 2011年07月22日
(金)
第6章 井上英明さんが、会計士から花屋に転身した理由とは?
髙島郁夫: 井上さんはトライアスロン仲間です。もともとは敵チームですが(笑)。
井上さんは週に3日しか会社に行かないんですよ。しかも、1年に1カ月も雲隠れしちゃう人なんです。それぐらい遊んでいる人なのですが、何をして遊んでいるのか以前から気になっていたので、今日は井上さんの隠された秘密を暴こうと思って(笑)、ゲストにお招きしました。
井上さんは、アメリカの会計士から花屋さんに転身したんですよね。それも興味深いので、まずはそのあたりの経緯から聞かせてください。
井上英明: 大学時代にアメリカでプラプラしていたとき、「ニューヨークってすげえな。ニューヨークで通用する男になりたい」と思ったんです。そしたら、日本で会計の勉強をしているとき、田舎の先輩から「ニューヨークの会計事務所で人を募集しているから行け」と言われて。もちろん、二つ返事で行きました。
でも、右脳派・左脳派でいうと、髙島さんもそうだと思いますが、僕も圧倒的に右脳派なんです。「次の時代は何が来るんだろう」「これ、おいしいじゃない」とかいうのが好きなので。そんな僕が会計士になったのが間違いなんですよ(笑)。例えば監査で1ドル合わないと、どうして合わないのか調べなきゃいけないんだけれど、僕は「早く飲みに行こうよ」「1ドルぐらいなら俺が出すよ」と思っちゃうような性格。だから会計士を辞めて、「何でもいいから会社つくっちゃえ」と思ってつくったんです。
最初は花屋じゃなくて、イベント企画みたいなことをしていました。でも、イベント企画ってキャッシュが日々回らないんですよ。1回パーティをやるとバンとお金が入ってくるんだけど、準備中はお金が入らないので。その頃読んでいた本に、たしか小佐野賢治さんの本だったと思うのですが、「興行をやるなら日銭部門を持っておけ」ということが書いてありました。じゃあ、日銭部門は何がいいかなと思いながら日経新聞をスクラップしていたら、「花博(国際花と緑の博覧会)」というのがあったんです。1990年に大阪で開催されたのですが、ちょうどその前ぐらいの頃で、「これからは花の時代だ」とあって、「なるほど、花か」と。
それで、知り合いの女性が花屋さんをやっていたので、頼んで市場に連れて行ってもらったら、都心で高値で売られているバラが、市場では100円とか150円だったので、もうびっくりして。すぐに50本ぐらい買って、ニューヨークに行くときも、イベント企画をやるときもお世話になった方に持って行きました。その方は代議士になっていたので議員会館に持って行ったら、「今度は花屋か?」と聞かれましたけれど。そのときは「いや、まだわかりません。まあ、いいじゃないですか」と言って置いてきました。
そうしたら1週間後ぐらいにその方から電話が来て、「あの花はすごくもった。あんなにもつのは見たことがない。もう1回持ってきてくれ」と言われたので、市場にもう一度行って、100円ぐらいの花を何本か買って「倍ぐらいならいいな」と思って、倍の値段で売りました。それが評判になって、議員会館や周辺の会社の役員室に花を持って行くようになったんです。完全予約制の無店舗販売でしたから、1万円が2万円に、2万円が4万円に。「いい商売だ」っていうぐらいの感覚で始めたんです。
髙島郁夫: 極めてイージーな発想で始めたんですね(笑)。
井上英明: 本当に(笑)。僕は難しいことを考えてやるんじゃなくて、「これ、きれいじゃん。これが200円だったら俺は買うから、みんなも買うんじゃないの?」という感じでやっています。
髙島郁夫: でもブログには、理路整然とすごく真っ当なことを書いていますよね。
井上英明: やってからは考えますね。きっかけはパリかな。花をあまり知らずに始めたので、「1回ぐらい、パリには勉強に行くべきかな」と思って行ったんです。でも、パリのホテルには花が飾ってなかったんですよ。「部屋が殺風景だな。寂しいな」と思って、花瓶と花を買ってきて飾ったら、部屋の空気がパッと変わりました。それを見て、日本では身の回りに花がいっぱいあったので良さがわかっていなかったんだ、ということに気づきました。
このとき、「売上競争もいいけれど、ちょっとまじめにやってみよう」と思いました。それからはまじめに花に取り組みましたよ。でもこれだって、やっぱり考えてやったわけじゃなくて、身を以て「花っていいな」と感じたから真剣に取り組めたんだと思います。
髙島さんの本を読んでいると、「俺は髙島さんの弟かも」と思うぐらい。僕も何かやってみて壁に当たって、その体感で腑に落ちて一歩踏み出すという感じなんです。そうしたプロセスの中ではいろいろ考えるので、やった後はブログに書いています。
井上さんは週に3日しか会社に行かないんですよ。しかも、1年に1カ月も雲隠れしちゃう人なんです。それぐらい遊んでいる人なのですが、何をして遊んでいるのか以前から気になっていたので、今日は井上さんの隠された秘密を暴こうと思って(笑)、ゲストにお招きしました。
井上さんは、アメリカの会計士から花屋さんに転身したんですよね。それも興味深いので、まずはそのあたりの経緯から聞かせてください。
井上英明: 大学時代にアメリカでプラプラしていたとき、「ニューヨークってすげえな。ニューヨークで通用する男になりたい」と思ったんです。そしたら、日本で会計の勉強をしているとき、田舎の先輩から「ニューヨークの会計事務所で人を募集しているから行け」と言われて。もちろん、二つ返事で行きました。
でも、右脳派・左脳派でいうと、髙島さんもそうだと思いますが、僕も圧倒的に右脳派なんです。「次の時代は何が来るんだろう」「これ、おいしいじゃない」とかいうのが好きなので。そんな僕が会計士になったのが間違いなんですよ(笑)。例えば監査で1ドル合わないと、どうして合わないのか調べなきゃいけないんだけれど、僕は「早く飲みに行こうよ」「1ドルぐらいなら俺が出すよ」と思っちゃうような性格。だから会計士を辞めて、「何でもいいから会社つくっちゃえ」と思ってつくったんです。
最初は花屋じゃなくて、イベント企画みたいなことをしていました。でも、イベント企画ってキャッシュが日々回らないんですよ。1回パーティをやるとバンとお金が入ってくるんだけど、準備中はお金が入らないので。その頃読んでいた本に、たしか小佐野賢治さんの本だったと思うのですが、「興行をやるなら日銭部門を持っておけ」ということが書いてありました。じゃあ、日銭部門は何がいいかなと思いながら日経新聞をスクラップしていたら、「花博(国際花と緑の博覧会)」というのがあったんです。1990年に大阪で開催されたのですが、ちょうどその前ぐらいの頃で、「これからは花の時代だ」とあって、「なるほど、花か」と。
それで、知り合いの女性が花屋さんをやっていたので、頼んで市場に連れて行ってもらったら、都心で高値で売られているバラが、市場では100円とか150円だったので、もうびっくりして。すぐに50本ぐらい買って、ニューヨークに行くときも、イベント企画をやるときもお世話になった方に持って行きました。その方は代議士になっていたので議員会館に持って行ったら、「今度は花屋か?」と聞かれましたけれど。そのときは「いや、まだわかりません。まあ、いいじゃないですか」と言って置いてきました。
そうしたら1週間後ぐらいにその方から電話が来て、「あの花はすごくもった。あんなにもつのは見たことがない。もう1回持ってきてくれ」と言われたので、市場にもう一度行って、100円ぐらいの花を何本か買って「倍ぐらいならいいな」と思って、倍の値段で売りました。それが評判になって、議員会館や周辺の会社の役員室に花を持って行くようになったんです。完全予約制の無店舗販売でしたから、1万円が2万円に、2万円が4万円に。「いい商売だ」っていうぐらいの感覚で始めたんです。
髙島郁夫: 極めてイージーな発想で始めたんですね(笑)。
井上英明: 本当に(笑)。僕は難しいことを考えてやるんじゃなくて、「これ、きれいじゃん。これが200円だったら俺は買うから、みんなも買うんじゃないの?」という感じでやっています。
髙島郁夫: でもブログには、理路整然とすごく真っ当なことを書いていますよね。
井上英明: やってからは考えますね。きっかけはパリかな。花をあまり知らずに始めたので、「1回ぐらい、パリには勉強に行くべきかな」と思って行ったんです。でも、パリのホテルには花が飾ってなかったんですよ。「部屋が殺風景だな。寂しいな」と思って、花瓶と花を買ってきて飾ったら、部屋の空気がパッと変わりました。それを見て、日本では身の回りに花がいっぱいあったので良さがわかっていなかったんだ、ということに気づきました。
このとき、「売上競争もいいけれど、ちょっとまじめにやってみよう」と思いました。それからはまじめに花に取り組みましたよ。でもこれだって、やっぱり考えてやったわけじゃなくて、身を以て「花っていいな」と感じたから真剣に取り組めたんだと思います。
髙島さんの本を読んでいると、「俺は髙島さんの弟かも」と思うぐらい。僕も何かやってみて壁に当たって、その体感で腑に落ちて一歩踏み出すという感じなんです。そうしたプロセスの中ではいろいろ考えるので、やった後はブログに書いています。
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該当講座
髙島郁夫(㈱バルス 代表取締役社長)×井上英明(㈱パークコーポレーション代表取締役)
11月11日発売「遊ばない社員はいらない~仕事の成果は、楽しんだ時間で決まる~」(ダイヤモンド社)刊行を記念し、日本元気塾セミナーを開催。髙島氏がバルスの経営を通じて得た独自の経営論はもちろん、いい仕事の根源となる、自分の生活を豊かにするために「もっと本気で遊べ!」という強烈なメッセージを送ります。
日本元気塾
キャリア・人 経営戦略
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