記事・レポート

ロボットは人間になれるのか? ~ロボット、人間らしさの追求~

読みたい本が見つかる「カフェブレイク・ブックトーク」

カフェブレイクブックトーク
更新日 : 2011年03月02日 (水)

第4章 夢を実現するロボット・テクノロジー

六本木ライブラリー カフェブレイクブックトーク 紹介書籍

澁川雅俊: さて次に、ロボットを現実のモノとして造り出す技術の側面から本を集めてみましょう。少し前に刊行された本ですが、『ロボットにかける夢—知と身体の調和をめざして』(有本卓著、2000年岩波科学ライブラリー)や『ロボット21世紀』(瀬名秀明著、01年文春新書)や『ロボットだって恋をする』(築地達郎著、01年中公新書ラクレ)があります。これらはいずれも、21世紀は産業用ロボットにかわって私たち日常生活者の相手をしてくれる人型ロボットが実用化する時代を標榜しています。

『ロボットだって恋をする』で著者は、ある科学者のことばとして、「10年後には人間のように考えたり感じたりするロボットが当たり前になっているんじぁないですかねえ」と引用していますが、昨年末に出版された『ロボットとは何か—人の心を映す鏡』(石黒浩著、09年講談社現代新書)で紹介されている著者自身を投影したロボット(「ジェミノイド」)はまさにその先行例といってよいでしょう。

この石黒浩という人については、人間の進化を論じた『人間はどこから来たのか、どこへ行くのか』(高間大介著、10年角川書店)の中で詳しく紹介されていたり、お笑いの爆笑問題との共演でNHKに出演し、後にそれを新書本に仕立てた『爆笑問題のニッポンの教養—ロボットに人間を感じるとき…知能ロボット学』(太田光・田中裕二・石黒浩著、07年講談社)などの共著があったりします。また劇作家の平田オリザとのコラボレーションでロボット演劇の作品を制作し上演したとのことで、巷でも売れっ子のロボット製作者のようです。

いずれにせよ、これらの本によって私たちはロボット工学のこの10年の進展を実感できるわけですが、テクノロジーの側面では、たとえば『岩波講座ロボット学〈全7巻〔第3巻未刊〕〉』(井上博允他著、04~06年岩波書店)があります。ただしこれは内容的には専門書で、私たちには読みこなせません。もしかしたら、子ども向けに書かれた『夢が現実に!ロボット新時代〈全4巻〉』(毛利衛監修、05年学研マーケティング)がとっつきやすいかもしれません。子ども向けというのがお気に召さなければ『大人のための「ロボット学」』(PHP研究所編、06年PHP研究所)などというものもあります。

Clip to Evernote

ロボットは人間になれるのか? ~ロボット、人間らしさの追求~ インデックス